出雲日御碕灯台

年号またぎ、西日本周遊の旅(5)

年号またぎ、西日本周遊の旅も5日目。5月1日、令和最初の日。出雲を発ち、引き続き山陰路を進み、宿のある、和田山(兵庫県)を目指します。


5日目(5月1日 水曜日)

5日目ともなると、クラッチレバー操作で疲労した手や、雨で濡れた靴やなどは気にならなくなってきました。しっかりとした朝食を頂いた後、宿を発ちます。前日に引き続き、どんよりとした天候。時より小雨がパラつきます。


出雲大社

言わずと知れた出雲大社(いずもおおやしろ)。以前訪れたのは10年以上前(2008年)の晩秋、その際は人もまばらでした。大社最寄りの駐車場まで、9時くらいならさほど混雑していないだろうと、たかをくくって走っていたら、手前2kmくらいから駐車場の空き待ち車両で大渋滞。急がず焦らず、流れに任せて30分、少し離れた駐車場に停めて向かいます。古代出雲歴史博物館の前を横切り、勢溜の大鳥居より参道を進みます。

以前は、鳥取~島根旅行の際に一畑電車(大社前駅舎はモダンなデザイン)で訪れましたが、何となく覚えているもので、どことなく懐かしく感じる参道。ただ、遅ればせながら写真を見比べて、鳥居が新しくなっていることに気付きました。(出雲大社前駅、鳥居の写真は2008年11月)

参道右手にこのタイミング限定、改元記帳所がありました。その前、拝殿、銅鳥居よりも手前から、行列ができています。参拝の行列かと思うと、どうやら御朱印街の行列のようで…、まずは参拝へ。拝殿前は混雑なく、シンボルでもある、しめ縄をくぐります。出雲大社も昨日の宇佐神宮と同じく、二拝四拍手一拝で、参拝を済ませ、先程の行列に並びます。

並ぶこと20~30分でしょうか、特設テント下にて、令和元年の御朱印をいただくことができました。納める金額は任意でしたが、お隣で寄付ができるようでしたので、合わせて行い、絵はがきを頂きました。

御朱印を頂いた後、復習を兼ねて、境内を隈なく散策したいところでしたが、思いの外、時間を要してしまったため、戻りつつ参道近くをぶらり。46羽いる(2019年5月現在)という、うさぎ(の像)。お金を抱えているように見えて、何だかユーモラス。すべては断念しましたが、うさぎを探しつつ、記憶にある風景と照らし合わせながら駐車場へと向かいました。


旧大社駅

前回訪れた時は、出雲大社以外、立ち寄らなかったので、 道の駅大社ご縁広場に移動し、歩いていける距離にある、旧大社駅を目指します。駅前は広く、駐車スペースもありましたが、大社方面への道は混雑しているので、道の駅から歩いて正解だったかもしれません。

旧大社駅(重要文化財)はお社のような木造のどっしりとした造り。昔は東京からの急行などが直通運転するなど、参拝客輸送の役割を果たしてきたが、1990年に大社線が廃線になってから、列車の発着はなく、観光スポットになっています。当時の面影がそのまま残っており、駅舎内には当時の資料などが展示されて、廃止当時の時刻表も設置されたままです。

改札を通り、ホームへ。駅構内には線路がそのまま残されており、草が生え、木製の枕木やさび色の線路といったノスタルジックな風景。構内踏切のホーム板には何とも出雲らしい、うさぎ柄のエンボス装飾。奥のホームにはD51蒸気機関車が静態保存されていました。

道の駅に戻り、出雲そばなど名物を調達して、改めて出発です。周辺道路、大社方面への道はますます混雑して、ほとんど動かないため、迂回して海沿いの県道29号線を走り次の目的地へ向かいます。


出雲日御碕灯台

大山隠岐国立公園内、日御碕に建つ、スラっとした白壁の灯台。それが出雲日御碕灯台(登録有形文化財)です。明治36年(1903年)に完成して、100年以上経過し、石造りの灯台として、高さ43.65mで国内最大、一等レンズを使用した一等灯台。そして、登ることができる灯台でもあります。

世界灯台100選にも選ばれた出雲日御碕灯台。まるで宮殿のような白い石造りの灯台。どんよりとした雲が広がっている点が残念ですが、青空だと、とても映える見えることでしょう。まるで塔のような灯台の内部、螺旋階段で上を目指します。いくつか灯台を登ってきましたが、さすが日本一の高さだけあり、展望フロアに着く頃にはひと汗かいて、ひと山登り切った気分です。

眼下に広がる、日御碕。その先に広がる日本海。涼みながら灯台からの景色を堪能し、登ってきた螺旋階段を降りて下へ。

時間は13時過ぎ、予定より出雲滞在時間が長くなってしまったため、駐車場までの道沿いにあった食堂で、名物っぽい海鮮ランチで腹ごしらえ。そして、日御碕の駐車場を出て、すぐ近くにあった神社に立ち寄ることに。


日御碕神社

出雲日御碕灯台から目と鼻の先にある、日御碕神社。素戔嗚尊を祀る神の宮と天照大神を祀る日沉宮(ひしずみのみや)の上下二社からなり、多くが国の指定重要文化財。それにふさわしい朱色の社殿が目を引きます。江戸時代初期より修理を重ね受け継がれてきたものが現存しているそうです。

参拝後、御朱印をいただいて出発しようと思いましたが、出雲大社同様、観光ルートの定番のようで、通常より多いであろう行列…。順番を待っていると、本日中の豊岡入りが困難になりそうだったので、次の機会にお預けで、惜しみつつ鳥取を目指すことにしました。

国道9号線、宍道湖沿い。左手に出雲空港(出雲縁結び空港)の突き出した滑走路、右手は山陰本線の列車とすれ違い、玉造温泉近くを通り抜け東へ。


道の駅本庄からの眺めと江島大橋

途中、遠回りするように、海寄りに進路を変え国道431号線を走り道の駅本庄へ。季節を感じられる、一休み中のこいのぼりと、その奥に見える、次の目的地、江島大橋。改めて思うと今回の旅は橋尽くしです。

再び国道431号線を走り、途中で右折し県道338号線へ。それは橋などではなく、中海の水面に浮かぶ土手のような道で、走っていて不思議な感じです。そんな一本道を進んでいき、江島付近に到着です。そのまま、橋を渡るため境港方面へ。しかし、交差点手前から謎の渋滞が…。どうやら私含め、橋を渡りに来た観光客が多いようで、ノロノロと橋に向かって進んでいきます。

迂回した理由でもある江島大橋は、車のCMでベタ踏み坂として登場した橋。今回逃しては来る機会もなかなかないと思い、通ることにしました。そのベタ踏み坂、カメラの画角の問題でしょう、肉眼だと気持ち急に見えなくもないですが、写真はCMのような絶壁の坂には見えません…。渋滞と車でないのでベタ踏みはできませんが、ゆっくりと上がって頂上へ。

橋を渡ると鳥取県(19都府県目)。少々、不完全燃焼気味でしたが、名所級の橋がなければ通らない道。貴重な体験ができました。再び国道431号線と合流し米子方面へ、正面に見えるはずの大山は…、かくれんぼ中でした。


道の駅大栄

国道9号線、山陰自動車道で鳥取県内を横断。途中、北栄町にある道の駅大栄に休憩のため停車します。時間は18時頃。すでにお店は閉まっており、自動販売機だけが絶賛営業中で、その中に1台は商品すべて、名探偵コナンホワイトソーダ?

どうやら、ここ、北栄町は名探偵コナンの作者の出身地。道の駅の石碑の横にはコナン像。店舗裏手には青山剛昌ふるさと館。こちらも営業を終了しており、阿笠博士の愛車、黄色いビートルだけは見ることができました。そして、コナン通りを少し経由して、再び道の駅へ。

夜が更ける前に、引き続き国道9号線で鳥取市に向け走ります。大きな風力発電プロペラ沿いや、一時話題になった鳥取のハワイ(羽合)を通過していきます。


道の駅神話の里白うさぎ

出雲を出た頃には砂丘に行こうと思っていたものの、辺りは日も暮れ、砂丘観光は断念。一旦、ロマンチックな名前の道の駅にピットインします。道路を跨ぐ歩道橋、そこから見える雲に映る鳥取市街の街明かり、白兎海岸と深く青い夜の日本海。そして、道の駅に隣接する形で白兎神社(はくとじんじゃ)があります。名の通り、白兎神をお祀りし、古事記や日本書紀に記される因幡の白うさぎの舞台なった場所。道の駅入口には大国主命と白うさぎの像がありました。また、白兎神社の鳥居の脇には郵便配達員姿の白うさぎのイラストが描かれた桃色の可愛らしいポストもありました。

あとは夜が更けるだけ。道の駅神話の里白うさぎを出てから、鳥取空港(鳥取砂丘コナン空港)、鳥取市街を通過。今まで海寄りだった国道9号線は山を越え、蒲生トンネルを抜けると兵庫県。 湯村温泉、ハチ北、そして但馬地域へ。そして22時頃、宿のある和田山に到着しました。

19年5月2日(木曜日)に続く…


なお、掲載している情報は旅行当日(2019年5月)の情報のため、ご覧いただいた時点では異なる場合がございます。ご旅行の参考とする場合(特に交通機関やイベント等)は事前に確認の上、検討をお願い致します。
同地域への旅行を検討されている場合の参考になれば幸いです。

1日目(19年4月27日)東京~香川…年号またぎ、西日本周遊の旅(1)へ
2日目(19年4月28日)香川、徳島、高知、愛媛…年号またぎ、西日本周遊の旅(2)へ
3日目(19年4月29日)愛媛~大分…年号またぎ、西日本周遊の旅(3)へ
4日目(19年4月30日)大分~島根…年号またぎ、西日本周遊の旅(4)へ
6日目(19年5月2日)鳥取、但馬~愛知…年号またぎ、西日本周遊の旅(6)へ
7日目(19年5月3日)愛知~東京…年号またぎ、西日本周遊の旅(7)へ