秋吉台

MAGIC! 冬の山口、長門防府の旅(1)

ホーム » 投稿ページ » MAGIC! 冬の山口、長門防府の旅(1)

23年1月。特に旅行や明確な目的地を訪ねる予定は無かったものの、22年11月29日〜12月1日に実施されたANA SUPER VALUEセールで国内航空券が格安で販売されていたので、これを機に未開の上れる灯台のある所へ!
冬なので、東北は見学休止中。紀伊半島は飛行機で行くには距離的に微妙。結果、山口の角島灯台か宮古島の平安名埼灯台の二択の末、最低価格で往復できる便の空いていた山口へ決定。灯台見学だけではもったいないので、山口県の見どころをWEBで検索してみました。WEB上の観光案内によると、山口県には「不思議な力がある」と書いてあります。RPGみたいですが、そんな力を得に、山口県を巡ることに。1日目は空港から萩へ、2泊3日の山口の旅の始まりです。

1日目(1月20日 金曜日)

22年12月に販売されたANA創立70周年記念「ANAにキュン!」のSUPER VALUEセールで購入したチケットを使ってのフリープラン旅行。大まかな移動ルートと時間だけを決めておいてのお気楽旅。初日の朝、羽田空港は昨年までの雰囲気とは変わって、人が行き交い、賑わいを取り戻しています。そのため、時間に余裕をもって搭乗口へ。そして、一年ぶりのテイクオフ。ANAとのコードシェア便のスターフライヤーで山口宇部空港を目指します。

羽田離陸後、雲はあるものの、景色は良好。飛行機は日本アルプスや瀬戸内海を望むことのできる上空を進みます。黒が基調のスターフライヤーは座席が国内他社より若干広く、旅を少し優雅にスタートすることができます。機内サービスのドリンクと小さな板チョコをいただきながらの空の旅。2時間かからずほぼ定刻通り山口宇部空港に着陸しました。

山口宇部空港

空には雲が多く、どんよりとしているものの雨はなさそう。空港はコンパクトにまとまっていて、ヱヴァンゲリヲンをコラボをしているようで、展示が空港内にちらほら。どうやら監督が宇部市出身とのことで、その縁での企画のようです。そのほか、山口っぽいふぐのオブジェが出迎えてくれます。

所用を済ませ、併設されている建物内のレンタカーカウンターで車を借りて、空港から出発です。

秋芳洞

空港を出て、国道490号線を北上。しばらくして小野湖脇を通り過ぎ、約1時間ほどで山口県の山間部にある美祢市に。国道435号線、県道242号線へと進むと、日本三大カルストの1つ、秋吉台周辺へ到着です。以前、西日本を周遊したときには時間が押していて、高速道路で近くを通過し、立ち寄れなかったので、今回はリベンジです。

秋吉台観光交流センターの前後に公営駐車場が整備されており、駐車スペースに苦労することは無さそうです。とりあえず第二駐車場に車をとめて観光交流センターへ。駐車場から近いのは秋芳洞の正面入口だったので、洞窟見学を先に。ちなみに洞窟まではどちらの駐車場(第一、第二)からも5分程度です。

洞窟入口までの懐かしさを感じる一本道。その左右にある店舗の一部は30年以上、時をさかのぼったかのような趣きです。冬の平日だからなのか、駐車場にも車はまばらでしたが、道にも人の姿がほぼありません…。少々寂しい感じですが、休業中の売店、ガラス戸の向こうに陳列された商品が年代を感じるアートのようで、目を楽しませてくれました。

途中、市町村合併前の秋芳町(しゅうほうちょう)の名が入った、消火栓のふたがあり、そこには秋芳洞と秋吉台が描かれていました。絵柄のような景色が広がっているのでしょうか。これから確かめたいと思います。

道の突き当たりに券売所。窓口のほか、洞窟内の案内図などがあります。リーフレットも用意されているので見ながら散策するのもいいでしょう。チケット(大人1,300円)を購入し、いざ探検へ。なお、見学できるコースを往復すると60分程要するのと、洞窟内にお手洗いがないので、先に済ませることをおすすめします。

洞窟も国定公園の一部ということで、改札入ってすぐ公園の案内看板。他にも450あまりの鍾乳洞が周辺に存在しているとのことで、その一つである秋芳洞。長い年月をかけて出来上がった天然美まで少々川沿い進んでいきます。すると、口を開けた大穴に橋が延びている光景が目の前に飛び込んできました。

澄んだ水面に急に降り出した雨が波紋を作っていきます。川は洞窟の中に続いており、傘を持たずに来てしまったので、雨に濡れる前に洞窟の中へ。すると、外の景色とは一変、辺りは石灰石特有の白い壁、ライトアップされた洞内は思いのほか解放感にあふています。入り口からしばらくは比較的なだらか(オプションの冒険コースを除く)で、車いすでの見学も可能となっており、川沿いを進んできます。青天井、百枚皿と進んで行き、その他にも各所に名付けられた鍾乳石を見ることができました。そして、中盤の千町田。ここから先は階段を上って行く道になります。そこそこ急な階段(手すり設置あり)を登りきると千畳敷。エレベーター方面と黒谷支洞との分岐点になります。

チケットがあれば再入場できる仕組みで、エレベーターで秋吉台へ抜けることができるようですが、車を駐車場に停めているため、いずれにせよ来た道を戻らなければなりません。秋吉台へは後程、車で向かうことにして、さらに先、黒谷支洞方面へ進んで行きます。

階段を上ると、そびえたつ黄金柱。これまでの鍾乳石に比べ、黄色を帯びているため、黄金色に見えるようです。ワイドレンズでないときれいにフレームへおさまりきれない高さは圧巻。一息ついてから、これまでより狭まった道を奥へと。前半の景色と比べ、ずいぶんと荒々しい野性的な鍾乳石が増えてきて、色もより黄色く見えるようになってきました。

約300m程度で、最終地点に。この黒谷口からも地上に出ることができますが、もと来た場所への循環バスは運休。いずれにせよ、エレベーターの時と同じく、駐車場に戻る必要があるので、案内の①に従って折り返します。ちなみに、洞内には音声で解説(日本語を含む4ヶ国語で語ってくれます)してくれる装置が見学ポイントごとに設置されており、音声はスピーカーから流れるので、響き渡っていました。少々説明が長めなので、歩きながら聴くのがいいでしょう。

ルートを戻り、洞窟の外に出ると雨は上がっており、駐車場まで。車が着いた時と比べると随分と汚れているような…、どうやら、洞窟見学中に大きく降ったようでした。

秋吉台

駐車場を出て、カルストロードを萩方面へ。最寄りの秋吉台緑地公園へ移動し、いざ展望台へ。近くにはジオパークの看板と地形が生成された説明が記載されています。カルスト台地は大昔、海にあったサンゴなどがプレート運動に移動し積み重なって生まれたもので、それを付加体と呼ぶそうです。ということは日本列島は付加体の集合体ということですね。看板にはモデルコースの案内もあり、時間がある場合は辿ってみるのも良いかもしれません。

展望台へは階段を上って2F。眺めがよくも起伏のある大地に白みがかった岩が点在しています。以前訪れた四国カルスト(潮風の四国、北播磨の旅(4))は夏だったので石灰岩が映えていましたが、冬の秋吉台は黄金色の枯草が広がっているため、少々同化しています。洞窟内は暖かかったですが、外はさすがに肌寒い…。展望台からのぐるっと一望し、周辺を軽く散策。時間もお昼なので、展望台近くのmine秋吉台ジオパークセンターへ入りました。

建物内には観光案内や喫茶スペースが設置されており、喫茶コーナーの高原牛バーガーが気になったので、暖かいコーヒーとセットで注文してランチタイム。建物内からもカルスト台地を眺めることができ、まるでオアシスのようです。

そんなオアシスで腹ごしらえ。すこしでも長い時間、萩の街を散策できるようにカルスト台地見学の続きは車の中から。駐車場に戻る途中、展望台から少し離れたところに、天然記念物の碑が建っていました。後で調べてみると、元々、軍の演習場に利用されていたものの、地学的に貴重な環境を保護するため、昭和39年に登録されたとのことでした。

道の駅 萩往還(萩市街)

県道242号線、引き続きカルストロードを北上。萩を目指し、国道490号線、県道32号線と走っていきます。国道262号線と別れ少しして萩往還隧道を出てすぐに道の駅 萩往還があったので、市街地に入る前に休憩とルート確認のため停車します。敷地内、幕末の志士の像が出迎えてくれ、売店の他、松陰記念館が設置されており、街に入る前に情報を仕入れることができます。ここはかつての有料道路(萩有料道路)で、更にさかのぼると、参勤交代のためにひらかれた道の一部(萩往還)だったようです。陰陽連絡道として重要だった萩往還も、道の駅前後はそれに沿っているようですが、山間部は険しく、モータリゼーションの現代では迂回しており、歩いて巡るにはキツそうです…。

笠山(萩市街)

道の駅を出て、一旦萩市街を抜け、国道191号線を阿武方面へ。街中の前に少し離れた場所から巡っていきます。まずは日本海にポンと突き出した笠山へ。海沿いを走っていたはずが、道の傾斜がきつくなっていきます。車同士すれ違うのには少々狭い道ですが、距離は短く、突き当たった先の駐車スペースに到着です。

北長門海岸国定公園の一部である笠山は元火山で、山頂は公園になっており、火口跡を間近に見ることができます。カルスト台地からの元火山と地学的にも山口は見どころの多い場所のようです。山頂を目指す途中には展望台もあり、休業中でしたが、屋内には笠山と展望台から眺めることができる萩六島についての案内がありました。

展望台から火口跡をぐるりとまわっている途中に、寒桜でしょうか?可憐な花が咲いており、時期によっては色々な花を楽しめるようす。ちなみに、山頂への道の途中に横道があり、そちらを進むと椿群生林があるとのことで、見ごろの時期(2~3月)には椿の花を楽しめるそうです。※数はまばらですが訪れた1月にも花はあったようなので、立ち寄ればよかったです…。

その代わり、山を下る途中に目を引くお店があったので、こちらには立ち寄ってみることに。柚子に関する商品を扱うお店で、ジャムやジュースなどを取り扱っており、ジュースを試食させていただきました。希釈して飲むジュースが美味しかったので、お土産として購入しました。

萩反射炉

再び市街地へ。国道191号線を少し戻ったところに看板が出ていた萩反射炉へ。道沿いに無料駐車場がありますが、近くのコンビニや宝くじ売り場のほうが目立っていて、反射炉の駐車場というより、その駐車場のようにも見えます。お手洗いが設置されているので、休憩用の駐車場の役割を果たしているようです。反射炉は駐車場奥の階段を上った先にあります。

萩反射炉は世界遺産「明治日本の産業革命遺産(2015年登録)」の一部として、江戸時代後期に萩藩が試作的に築造した金属溶解炉で、実用ではなかったようですが、国内に現存する反射炉のうちの一つ(ほかに静岡の韮山、鹿児島の旧集成館)として貴重なものだそうです。

階段を登りきると公園のようになっており、すぐのところに案内小屋(パンフレットをもらえました)があり、奥に反射炉がそびえたっています。燃焼室は焼失していますが、2本の煙突は健在。近くを通る山陰本線の線路に先客のアオサギが一羽いるだけで、貸し切り状態でした。

帰り際、線路にとどまっていたアオサギが飛び立つと、オレンジ色のディーゼル列車が通り過ぎて行ったので、反射炉と一緒に1枚。立地的に列車の中からも見学できそうです。

今回は萩反射炉のみ見学しましたが、近くには同じく世界遺産の恵比須ヶ鼻造船所跡、少し離れた場所に大板山たたら製鉄遺跡があり、萩の産業化遺産群を成しています。

明倫学舎

萩の街中を抜けて、県関連庁舎や市役所などが集まる中心部。萩明倫センター駐車場に車を止めて、明倫学舎へ。駐車場は有料(310円/回)ですが、広く近くに萩城下町や足を延ばして城跡などの観光拠点として便利です。駐車場の隣が旧萩藩校明倫学舎になります。

入り口に向かう途中の右手には藩校明倫館の正門として建てられた南門があり、オレンジ色の屋根が特徴の本館が見えてきました。藩校時代の建物は残っていないようですが、昭和10年に跡地に建てられた旧明倫小学校の本館~4号館までの建物内に観光センターやミュージアム、市の施設などが入居しており、萩観光の拠点のような形になっています。

玄関を入ると、観光インフォメーションやショップにレストラン。萩市内観光に1日費やすようであれば、まずここからスタートするのがおすすめだったようですが、今回は16時目前ということで、2号館にある、萩を丸ごと学習できる、幕末ミュージアム&世界遺産ビジターセンターへ。入場料(300円/大人)を支払い展示スペースへ。元小学校の雰囲気を残した廊下、順路最初は世界遺産コーナーで、途中長州ファイブと記念撮影ができるブースがありました。続けて、幕末コーナー。貴重な科学、歴史に関する現物資料(測量道具や鉄砲、軍装など)が展示されており、現地の案内の方(博物館でいえば学芸員的な)が説明してくれます(展示内容や現物はぜひ現地に足を運んで見学を)。

ダイジェストのようになってしまいましたが、順路を巡り終え、再び本館へ。お土産ショップで、萩の名産を入手し、本日最後の目的地の松陰神社に移動します。

松陰神社

萩明倫センター駐車場を出て東へ。松本川を越えて左折し、明倫学舎よりさほどかからず松陰神社に到着です。17時少し前、なんとか社務所の開いている時間内に参拝できそう。一の鳥居手前の駐車場に車を止めて、鳥居をくぐります。

松陰神社は吉田松陰を祀る神社。境内には松下村塾や杉家旧宅(幽囚ノ旧宅)のほか、歴史館や宝物殿などで、明治維新の先覚者である松陰を知ることができます。学問の神様としても知られ、社務所には学業に関するお守りが多く並べられていました。御朱印を頂き、境内をぶらり。木に色とりどりの傘を模したおみくじが結ばれており華やかで、それに負けじと小道沿いに植えられていた梅の花がポツポツと咲いていました。

17時をまわり、境内の売店は店じまい。日も暮れ始めたので、本日の観光はここまで。近くにある本日のお宿に早めのチェックインで1日目の旅は終了です。

ちょっとの良い食事とひろびろ温泉で今日の疲れの解消を。さて、2日目はお目当ての角島灯台へ。ながと路を進み下関まで。

23年1月21日(土曜日)に続く…

なお、掲載している情報は旅行当日(2023年1月)のもののため、ご覧いただいた時点では異なる場合がございます。ご旅行の参考とする場合(特に交通機関やイベント等)は事前に確認の上、検討をお願い致します。また、感染症の感染状況等により、行動の制限や対策が求められる場合はその指示に従い行動をお願いいたします。その上で、同地域への旅行を検討されている場合の参考になれば幸いです。

2日目(23年1月21日)萩~下関~湯田温泉…MAGIC! 冬の山口、長門防府の旅(2)
3日目(23年1月22日)湯田温泉~防府~宇部…MAGIC! 冬の山口、長門防府の旅(3)

MAGIC! 冬の山口、長門防府の旅(1)” への2件のフィードバック

コメントを残す