宇治橋(伊勢神宮内宮)

つかの間の和ぎ、近畿、初詣の旅(3)

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22年1月。元日からの近畿の旅。コロナ禍のつかの間の和ぎ。以前の賑わいは戻らないものの、対策を取りつつ、様子見でまわる世間。昨年の九州旅行以来の2泊3日の旅。3日目は朝、住吉大社に参拝し、大阪を出て三重へ向かう、伊勢メインの最終日です。


3日目(1月3日 月曜日)

3日目の朝。宿を出発し、長堀橋駅より堺筋線で天下茶屋駅まで移動します。堺筋線は阪急千里線からの乗り入れがあるため、乗車した車両は阪急車。前日も乗車しましたが、阪急車は内装が何となくリッチなので朝から少し優雅な感じでスタート。終着駅の天下茶屋にて南海電鉄に乗り換えます。乗り入れていれば便利なのにと思いながら、地下から地上へ。

どことなくノスタルジックな形状の6000系を見送り、普通電車で住吉大社駅まで。


住吉大社

大阪市住吉区、住吉大社駅。駅の西側に住吉公園、東側に住吉大社があります。駅を出て間もなく、阪堺線の路面電車が走る紀州街道を越えると鳥居があります。年明け3日目の朝なので、前日昼の生田神社ほどの混雑はなく、マイペースで巡れそうです。

住吉大社は摂津国一之宮で全国にある住吉神社の総本宮。御祭神は底筒男命、中筒男命、表筒男命の住吉大神と息長足姫命(神功皇后)で、住吉大神は伊弉諾尊が禊祓したときに海の中から出現された神様のため、海上安全の守護神としてしられています。それゆえ、奈良時代には遣唐使の発遣の際の無事を祈り、朝廷より奉幣があったそうです。

鳥居をくぐって正面、池を二分するように反橋があり、朱色の橋は名の通りで階段のようで結構急でした。それを渡って本宮へ。壁に囲われた本宮は第一から第四まで、それぞれ御祭神を祀っており、国宝に指定された住吉造のお社です。

各本宮の参拝を済ませて、刺しゅう入りの御朱印を頂き、境内を散策。摂末社やおもかる石など見どころが多くあるようですが、伊勢への出発時間もあるので、駅に戻りつつ巡っていきました。再び紀州街道を渡り、駅までの短い門前通り。途中にあった菓子店で甘酒といちご大福を買って、電車に乗る前の僅かなひと休みです。

降りた時には気づきませんでしたが、すみっコぐらしとコラボしているようで、所々にさりげなく装飾されていました。少々こじつけ感がありますが、ご愛敬。普通電車に乗って、今度は天下茶屋を越えて、終点なんば駅まで。


大阪難波

前日の大阪梅田ほどではないですが、こちらもターミナル駅らしい車止めのある駅。南海のなんば駅。大阪屈指の繁華街であり、交通の要所でもあります。付近には「なんば」の付いた駅がいくつかあり、私鉄の強い関西らしく、駅それぞれ個性を主張しているかのようで面白いです。そんな難波地区の地下を行き、今度は大阪難波駅へ。

大阪難波駅は近鉄と阪神の共用駅で、阪神なんば線が乗入れるまで、近鉄難波駅として始発駅となっていました。特急については今も大阪難波駅より各方面に向けて出ているので、伊勢志摩方面のほか奈良、名古屋方面へも乗換なしで行くことができます。

予約した鳥羽行きの特急電車の入線まで若干の時間があったので、構内のカフェでコーヒーを一杯。何だか、本格的なハート形のラテアート。5分~10分程度ですが、優雅な時を過ごすことができました。
ホームに降りると、すでに電車は入線済み。今回乗車するのは2階建て車両の連結されたビスタカーで、せっかくなので2階建て車両の上の階に。関東でよく見かける2階建てグリーン車両とは異なる、車両中央に扉のある珍しい構造で、中央のデッキより階段で座席のある客室へ移動します。二階建て車両の1Fはグループ席になっており、2階が一般席です。

車窓からの眺めは、ホームに着くと見下ろす感じ。途中の鶴橋駅では日本で一番小さなファミリーマートの看板が見えたので、その眺望を生かして?車内から1枚。駅売店のスタイルで屋号がファミマになったかのような佇まいでした(22年5月31日で閉店してしまったそうです)。駅を出発してしばらく、前の列車との間隔が詰まっているのか、特急らしからぬゆっくりとした速度で進んでいきます。

大阪線も名張を抜けると木々に囲まれた景色に。電車は軽快に進んで行き、新青山トンネルを抜け、峠を越えると伊勢はもうすぐです。


伊勢神宮(外宮)

伊勢市駅。近鉄のホームは国鉄より後に設置されたためか、表玄関口より離れた場所にあり、お伊勢参りの足として近鉄に軍配が上がるところ、JRの改札と共用となっている不思議な構造。連絡橋を渡り、JR側改札側から外へ。
一生に一度はとも言われるお伊勢参り。自身、神宮参拝は三度目ですが、新年早々は初めてです。駅舎出て正面に延びる道は外宮への参道となっており、左右に商店が並びます。県道32号線を渡り大きな森のような境内に。鳥居をくぐり、玉砂利の道を進みます。

豊受大御神をお祀りする外宮こと豊受大神宮。鎮座する森の中には大きく開けた場所があり、20年に一度、正殿等の造り替えが繰り返される式年遷宮のための用地です。近年はほぼ20年間隔で実施されており、直近では2013年に62回目が行われました。しかし、長い歴史の中で、戦国時代には100年以上あいたこともあったそうです。

古殿地の南側には三ッ石という三個の石を重ねた石積みがあり、儀式で使用するもので、人が立ち入らないよう四角く囲われています。石積みには硬貨が積み重なっており、御利益があるのでしょう、人が集まっていました。
境内、来た道を戻り、県道32号線沿い。広いスペースが臨時のバスターミナルとなっており、長い列ができていました。歩いて内宮へ向かうこともできますが、4kmほどあるようなので、バスを利用することに。内宮行のバスは臨時ダイヤでひっきりなしにやってくるので、大した待ち時間はなく乗車、内宮近くのバス停まで移動することができました。


伊勢神宮(内宮)

天照大御神をお祀りする内宮こと皇大神宮。宇治橋鳥居手前のロータリーでバスを降りてから、宇治橋鳥居をくぐり、橋を渡ると渡った五十鈴川に沿うように神苑が延びています。清酒奉納を左手。その先、一の鳥居を通ると、五十鈴川の川岸まで近づける御手洗場が右手にあり、道は折れ曲がり、その先は木々の囲まれた道を進んで行きます。

木々のアーチの先、御正宮の手前は開けており、写真が撮影できるのはその階段の下まで。正月三が日だけあって、付近は参拝する人々が列をなしており、そこそこ混雑しています。左右広がって参拝できるようになっていますが、せっかくのお伊勢参り、多くの人は中央寄りに流れているように見受けられます。

参拝後は左手に進むようだったので、そちら寄りでお参りをし順に進んでいくと、道の途中に妙に幹の磨かれた杉の木。それは千代大杉と呼ばれているようで、辺りの木より幾分大きく、通りがかった多くの人が手で触るため、手の届く範囲が明るく艶やかになっていました。人がまばらになったタイミング、両手で幹に触れると、ひんやりとした感じ、パワーを分けて頂けたでしょうか。そんな千代大杉で引き返し、参集殿を経由して宇治橋へ戻ってきました。渡る前に、橋を望む撮影スポットで一枚。帰りはおかげ横丁へ立ち寄ることにしました。

ただ、昼過ぎにも関わらず、横丁は神宮の境内より混雑しており、喫茶や飲食店も入るのに待ち時間がある様子。このままでは人に酔いそうなので、その前に横丁内にあった酒店で、地ビールの「ねこにひき」のビンを買って、人通りの少ない脇道を通り、歩いて伊勢市駅方面へ。


猿田彦神社

予約した特急の時間までには幾分余裕があったので、途中、宇治浦田町の交差点近くにある猿田彦神社に立ち寄ることに。コーヒーが頭に浮かんできそうな名前ですが、御祭神の名が神社の名称になっており、天照大神の命を受け瓊瓊杵命(ニニギノミコト)を高千穂に導いたとされる神様です。そのため、みちひらき(物事を良い方向に導く)の御利益があり、仕事や学業、何かに迷ったとき?に訪れたいところです。

拝殿正面、列の途中には八角の石柱。境内には子宝池やたから石。猿田彦命の妻であり、芸能の神様、天宇受売命をお祀りする佐瑠女神社があります。芸事の上達などの御利益があるとされ、奉納され立てられているのぼり旗にはミュージシャンや芸人、映画監督などの名が入っていました。気持ち、女性の参拝客が多いような気がしますが、恋愛成就に限らず、縁を結ぶ神様でもあるそうです。

二社それぞれ参拝後、御朱印を頂き、伊勢神宮には無いので、猿田彦神社でおみくじを。運勢は上々の結果ですが、新年なのに「只今より来年のことをよくよく考えて」と誰かに笑われてしまいそう記載が…。調子に乗るなとの戒めということでしょう。


伊勢市駅まで

猿田彦神社を後にし、県道32号線を徒歩で駅まで向かいます。伊勢自動車道をくぐり抜け、少し進んだところにあった土産店に寄り道。駐車場の奥にはフェンスに守られた石神様があり、パワースポットのようです。店内には伊勢のおみやげがそろっており、伊勢えびなども食べられるよう、食事コーナーもありました。

伊勢みやげを調達後、再び徒歩。勢田川を渡り、途中からショートカットできそうなので、脇道で駅まで。駅の近くにはドラマや映画で出てきそうな風情のある商店街。お店は営業していませんでしたが、通路を歩くと、どこか昭和な雰囲気を感じることができました。

伊勢市駅。夕日に照らされる鳥居と駅舎。少々時間があったので、売店で名物の赤福を購入し駅構内、再びJRのホームより陸橋で近鉄ホームへ。入線してきた名古屋行の特急に乗り込み、乗車した伊勢市駅でほぼ満席状態に。3日間の旅も終盤、乗車中は車窓から見える景色を眺めながらウトウト。

名古屋駅に到着したころには日も沈み、街の明かりが輝いていました。


名古屋

名古屋駅。申し込んでおいた、ぷらっとこだまの乗車券を券売機で受け取り、新幹線の時間まで、駅前をブラブラ。売店で夕食の駅弁などを買い込んで、こだま号でゆっくりと東京を目指します。

ぷらっとこだまはJR東海ツアーズで申し込めるお得な乗車券。乗車時間はのぞみ号に比べ長いですが、のぞみ号の指定席と同じくらいの料金。ただし、旅行券扱いなので、きっぷの変更ができないなど制約はありますが、グリーン車にも乗れて、ドリンク付きの優れものです。

広々とした座席で、優雅にディナーとデザートとまでとはいきませんが、旅の締めくくりにゆっくりすることができました。約3時間で東京へ。年明け早々の3日間の近畿、初詣の旅も多摩川を越えて旅も終わりに、初詣ついでに色々な場所を巡ることができた充実の旅でした。

おわり。次の旅路へ…


なお、掲載している情報は旅行当日(2022年1月)のもののため、ご覧いただいた時点では異なる場合がございます。ご旅行の参考とする場合(特に交通機関やイベント等)は事前に確認の上、検討をお願い致します。また、感染症の感染状況等により、行動の制限や対策が求められる場合はその指示に従い行動をお願いいたします。その上で、同地域への旅行を検討されている場合の参考になれば幸いです。

1日目(22年1月1日)和歌山(高野山)~大阪市内…つかの間の和ぎ、近畿、初詣の旅(1)
2日目(22年1月2日)神戸市内…つかの間の和ぎ、近畿、初詣の旅(2)

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