大三島から

年号またぎ、西日本周遊の旅(3)

年号またぎ、西日本周遊の旅。3日目は愛媛県内の漫画喫茶を早々に出発し、伊予灘沿いを散策。今治から瀬戸内しまなみ海道を通り広島、尾道へ。山陽自動車道、中国自動車道を通り、改めて九州を目指します。


3日目(4月29日 月曜日)

3日目。完全に行き当たりばったりな旅程になってしまいましたが、瀬戸内しまなみ海道を通り、改めて陸路で九州を目指すため、漫画喫茶を出発しました。


下灘駅

外に出ると薄暗くも、徐々に明るみを増していく空。短い滞在時間に本日の終点と大まかな道筋は立てたものの、早く起きた朝の旅程までは考えていなかったので、ウォーミングアップがてら、街を抜け、伊予灘沿いの国道378号線を走ります。どんよりとした曇り空、朝露程度の小雨は舞うものの、大きな天候の変化は無さそうです。左手には予讃線(愛ある伊予灘線)の線路、途中、それをくぐるように通り目的地の下灘駅に到着です。

時間は6時。それにもかかわらず、海沿いの小さな駅には10人ほど。映画のワンシーンに出てきそうな駅舎。それに対し、少し新しい感じの木製ベンチ。軽く弧を描くプラットホームの駅舎寄りには小ぢんまりとした屋根付きの待合所。それ越しの瀬戸内海。ここは青春18きっぷのポスター等でそこそこ有名になった景色。青い空、青い海…、とはいきませんでしたが、瀬戸内の風を感じ、深呼吸。良いウォーミングアップになりました。

下灘駅を出発し、来た道を戻るように今治方面へ向かいます。行きに通過した道の駅ふたみに立ち寄り、次の目的地を設定。朝早いため自販機しか稼働しておらず、朝食代わりに缶コーヒー。砂浜の後ろにそびえ立つ荒々しい山々、目の前の瀬戸内海を眺めながら、ウォーミングアップ後の一休み。

休憩後、早々に道の駅を出発し、途中並進していた、ウォーターブルーの帯を纏ったJR四国の列車をタイミング良く撮ることができました。


ポンジュース発祥の地、三津駅

Googleマップを見ていて気になった「ポンジュース発祥の地」。道後温泉や松山城など、香川の時と同じく、愛媛松山にも有名な観光名所はありますが、過去に訪れたので、今回は商品はメジャーでも、観光地としてはマイナーな所へやって来ました。ナビゲーションに指示されるがまま、街中の生活道路のような道を地元の車に紛れて北上。伊予鉄高浜線の三津駅近くの住宅街。道を一本間違えて少しさまよってしまいましたふぁ、その一角の佇む小さな公園。ぽつんと石碑がひとつありました。現えひめ飲料の前身、愛媛県青果農業協同組合連合会がミカン飲料の製造を目的として、この地に工場を創設したのが始まりだそうです。ただ、工場の面影はなく、この石碑だけがそれを物語っていました。

ポンジュース発祥の地からすぐ、三津駅前。新しくもレトロ超ミカン色の3000系の電車を見送ってから、引き続き今治方面へ。


星の浦海浜公園、野間神社

三津駅前を出て、その先、国道196号線。今治への道中、走りながらの市内観光。菊間付近の沿道では瓦(菊間瓦)の文字。少し先では太陽石油のプラント。今治はタオルとバリィさんのイメージがありましたが、新しい発見。

橋を渡る前に休憩で同じく沿道にあった星の浦海浜公園に。奥に見える造船ドック。公園には船のプロペラ(スクリュー)が置かれていました。

公園を出て、今治ICに向かう途中、野間馬ハイランドという看板やご例祭を知らせるのぼり旗を目にし、少し寄り道。野間馬ハイランドは日本在来馬の野間馬とふれあえる施設ですが、営業が10時からで少し時間が早く、野間神社に立ち寄ることに。

野間神社は街並みに溶け込むようにある、お宮さんのよう。しかし歴史は長いようで、御利益は悪病除け、開運。鳥居をくぐり、まっすぐ進んで上がった所に本殿、その右手奥には重要文化財の宝篋印塔。のぼり旗にあったお祭りは5月3日のようで、訪ねた時間には境内に参拝者はおらず、落ち着いた雰囲気でした。


大三島と大山祇神社

野間神社を後にし、今治ICより本四連絡3ルートの1つ、しまなみ海道を通りいざ本州へ。個人的には前々日に瀬戸大橋を、以前明石海峡大橋を渡ったので、これを渡りきれば本四連絡道路3ルート走破です。今治側より最初の三連吊り橋、来島海峡大橋で大島。その後も島を繋ぐ橋で塩で有名な伯方島を経て、神の島として知られる大三島。大三島ICで一旦降りて島を横断(西寄りへ)し、次の目的地、大山祇神社へ。

大山祇神社は伊予国一宮であり、山祇神社(三島神社)の総本社。大山積神(三島大明神)を祀る、源平の時代よりあるという歴史ある神社です。

その境内には天然記念物で、乎千命御手植とされる樹齢2600年になる大楠があり、参道にどっしり構えています。

その大楠の先、階段を上り神門を通ると、正面に国の重要文化財である拝殿があります。

また、隣接する国宝館には奉納された美術工芸品(刀剣、甲冑など)が展示されているそうですが、今回は参拝のみで大山祇神社、大三島を後にしました。


瀬戸内しまなみ海道

本四連絡道路3ルートのうち1999年5月に全通した、瀬戸内しまなみ海道と称される尾道・今治ルート(西瀬戸自動車道、国道317号線)。瀬戸内海に浮かぶ島々を橋で結ぶ道です。歩行者、自転車、125cc以下の原動機付自転車の専用道もあり、車、鉄道以外で行き来できるルートでもあります。今治側、最初の橋が来島海峡大橋で世界初の三連吊り橋。この他、外観、構造共にいろいろな橋があり、まるで橋の博物館のようでもあります。多々羅大橋(大三島~生口島間)が県境で、ここを渡り広島県(14都府県目) に入りました。


道の駅みはら神明の里

大三島、生口島、因島、向島と渡り、尾道市内へ。国道2号線バイパスを西へ向けて走っていくと、徐々に雲行きが怪しくなってきました。途中にあった道の駅みはら神明の里で天候確認のため、休憩することに。道の駅からは先ほど渡ってきた島々や右手には三原市内が一望でき、近くの糸崎付近に停車していた瀬戸内マリンビューの特徴的な丸窓がちらっと見えました。そして、三原はたこが名物とのことで、雨の降りだす前にたこ焼きで腹ごしらえ。食べ終わるころに雨粒がポツリと落ち始めました。


九州へ(山陽自動車道~中国自動車道、関門橋)

本郷ICより山陽自動車道に入り、途中、アストラムラインの高架をくぐります。降り出した雨は徐々にひどくなる一方で、宮島SAに入るものの景色は望めず、展望台の鳥居を眺めて早々に、先へと急ぎます。

高速道路上で山口県(15都府県目) に入るころにはトンネルがありがたく感じるほどの本降りの雨。山口JCTで中国自動車道と合流し、その先の美東SAで高速道路上最後の休憩を取り、九州を目指します。およそサービスエリアから60kmほど走り、ふっと現れる関門橋。ライトアップされているものの、雨粒で滲んで見えました。瀬戸大橋と比べるとあっという間、関門橋を渡り福岡県 (16都府県目) へ。

九州に入り、九州自動車道、北九州JCTで大分方面、東九州自動車道へ。この頃には徐々に雨足も弱まり、始めました。苅田北九州空港ICからは対面通行、先の上毛スマートICで高速を降り、山国川を渡ると大分県(17都府県目)。そして、間もなく本日の宿泊地の中津へ。当初予定していたフェリーでの四国から九州入りは叶いませんでしたが、500km超、陸路で大分県内に到達しました。


中津駅

宿にチェックイン後、駅も近く、時間も若干余ったので、小雨降る中、駅と駅前を散策することにしました。

電車に乗ってしまうと、なかなか戻って来られなさそうなので、入場券を購入して駅ナカをぶらり。昔から変わっていないような?ホームのシンプルな駅名看板。中津駅には特急列車も止まるので、883、885(特急車両の系)の数字。特急列車はホームに上がったとき、ちょうど出発(787系)してしまったので、撮り逃してしまいましたが、415系は写真に収めることができました。

電車が行ってしまい、静まり返ったホームを後にし、駅周辺を屋根のある範囲で散策。見どころとして、山のほうに足を延ばせば耶馬渓、港のほうに足を延ばせば中津城や福沢諭吉旧居など、観光スポットが点在しています。北口駅前には福沢諭吉像があり、新紙幣で一万円札が渋沢栄一になると発表されて間もないですが、銅像とともに肖像一万円札発行30周年記念の看板が雨の中、凛々しく立っていました。

そして、30分少々散策してから、宿に戻ってコンビニ弁当で遅い夕食。今晩は体を伸ばして眠れるので、少しは回復できるでしょう。

19年4月30日(火曜日)に続く…


なお、掲載している情報は旅行当日(2019年4月)の情報のため、ご覧いただいた時点では異なる場合がございます。ご旅行の参考とする場合(特に交通機関やイベント等)は事前に確認の上、検討をお願い致します。
同地域への旅行を検討されている場合の参考になれば幸いです。

1日目(19年4月27日)東京~香川…年号またぎ、西日本周遊の旅(1)へ
2日目(19年4月28日)香川、徳島、高知、愛媛…年号またぎ、西日本周遊の旅(2)へ
4日目(19年4月30日)大分~島根…年号またぎ、西日本周遊の旅(4)へ
5日目(19年5月1日)島根~鳥取、但馬…年号またぎ、西日本周遊の旅(5)へ
6日目(19年5月2日)鳥取、但馬~愛知…年号またぎ、西日本周遊の旅(6)へ
7日目(19年5月3日)愛知~東京…年号またぎ、西日本周遊の旅(7)へ