角島灯台と水仙

MAGIC! 冬の山口、長門防府の旅(2)

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23年1月。特に旅行や明確な目的地を訪ねる予定は無かったものの、22年11月29日〜12月1日に実施されたANA SUPER VALUEセールで国内航空券が格安で販売されていたので、これを機に未開の上れる灯台のある所へ!
冬なので、東北は見学休止中。紀伊半島は飛行機で行くには距離的に微妙。結果、山口の角島灯台か宮古島の平安名埼灯台の二択の末、最低価格で往復できる便の空いていた山口へ決定。灯台見学だけではもったいないので、山口県の見どころをWEBで検索してみました。WEB上の観光案内によると、山口県には「不思議な力がある」と書いてあります。RPGみたいですが、そんな力を得に、山口県を巡ることに。2日目は萩から下関(少しだけ九州)へ、2泊3日の山口、ちょっと九州の旅です。

2日目(1月21日 土曜日)

萩の街をあとにし、西へ。最初の経由地へ直行する前に最寄りの道の駅に立ち寄ります。萩・さんさん三見は191号線(三隅・長門道路)の明石IC付近に設置されている道の駅で、パーキングエリア的なこじんまりとした規模ですが、高台に位置しているため眺望は抜群。日本海に浮かぶ島々が一望できます。また、地場の農産物(柑橘類など)やお土産を扱う売店のほか食堂もあるので、萩〜長門の穴場的休憩場所でもあります。

雲は多いものの日差しはあり、急な天気の変化もなさそう。今回(本日)のメイン、灯台からの眺めも期待できそうです。

道の駅 センザキッチン

萩市街から移動に一時間半ほど、長門市の仙崎にある道の駅 センザキッチンに到着。仙崎漁港に並んだ立地で、裏手はすぐ海。入り口付近にはクジラのモニュメントがあり、仙崎の北にある、青海島は古式捕鯨で知られています。また、童謡詩人の金子みすゞの出身地でもあり、街中のいたるところで詩などを見かけることができます。

道の駅には農水産物直売所や飲食店のほか、おもちゃ美術館や観光汽船の発着場もあり、周辺観光の起点的役割を持っているようです。お土産売り場には海産品が多く並び、名産のかまぼこも多彩でした。ただ、要冷蔵の商品がほとんどなので、旅行中に持って運ぶのはダメそうです(クール便などで発送する必要がありますね…)。その場でということであれば、施設内にはバーベキューコーナー(グリルハウス)があり、直売所で購入した海産物をその場で調理できるようなので、お時間があれば昼食にBBQもありかと思います。

キッチン棟の裏にあるシーサイドデッキからは、仙崎港を見渡すことができ、海上保安庁の船や近くのセメント工場へ材料を運ぶ船などが見られます。ただ、不穏な看板が設置されており、デッキ周辺で食べ物を食べていると、スナイパーに狙われるようなので、注意が必要?です。

仙崎駅

道の駅の看板にあった仙崎エリアの観光ポイントの中で、歩いて巡れそうな場所に絞って周辺を散策することに。まずは仙崎駅へ。駅前はロータリーのようなスペースがあり、木造チックな駅舎がドンと構えています。同駅と長門市駅間は山陰本線から分岐した支線でいわゆる盲腸線。ホームは一面一線で、訪れた時には列車はおらず…。

駅ナカには短冊状の札なのか、タイルアートのような感じで金子みすゞの肖像が描かれており、ちょっとした休憩、展示スペースもあります。ただ、列車は臨時を含む7本、訪れた日中の時間帯は12時(32分)のみで、道の駅の賑わいに対して、少々寂しい感じでした。

金子みすゞ記念館

続いて、仙崎駅前から延びているみすゞ通りを北へ。情緒ある街並みにとけ込むようにあるのが金子みすゞ記念館です。金子みすゞは仙崎で生まれ育ち、20歳で仙崎の地で詩を書き始め、26歳でこの世を去った童謡詩人。ACジャパンのCMで取り上げられた「こだまでしょうか」は一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。文学や詩に興味のある方にはおすすめの立ち寄りスポットです。

記念館は生誕100周年を機に生家周辺に建てられたもので、みすゞ通り側の金子文英堂と書かれた看板が掲げられている建物が復元された2階建ての店舗で、1階が記念館への入り口にもなっています。

階段を上った2階にはみすゞの部屋があり、1階奥には庭も再現されています。そのさらに奥にあるのが本館棟で、詩の数々が書き込まれた自筆のノートなどの展示や詩を体感できるギャラリー、ショップがあります。復元店舗~本館と滞在時間が30分だったため見学は少々駆け足になってしまいました。

本館出入口付近のショップでグッズや出版物が並べられており、限定に弱い私は「山口限定」の文字が入った詩にまつわるイラストが描かれたしおりをお土産に購入しました(写真の来館記念の御朱印は最初の入り口で購入できます)。そして、記念館を後にし、再び道の駅へ。直売所で長門土産を買って、次の目的地へ移動します。

元乃隅神社

灯台にセットしてあったカーナビに従い、国道191号線、県道286号線と走っていたため、いつの間にか曲がる道を通り過ぎてしまいUターン。国道から離れた海沿いにあるため、時折、案内看板(神社の他、棚田の看板もちらほら)はあるものの、少しわかりにくいかもしれません。再び見かけた矢印看板に従い、県道66号線を北上、経由地に到着です。

元乃隅稲成神社は1955年に白狐のお告げにより創建された神社。自動車でないと訪れるのが難しい場所にあり、道路も狭小の場所がありましたが、人気の観光スポットとなったためか大きな駐車場や売店などが整備されており、神社周辺は思った以上に広々としています。

駐車場から歩いて、道を渡った反対側。海側に見える123基の鳥居が海へと続く景色は圧巻です。山側の拝殿への参拝前に、まずは鳥居をくぐって海岸の岩場まで。階段状の坂道を下り一の鳥居?まで。その先、足元はあまり良くないですが、岩場を上って海に近づくこともできます。

来た道を再び上り、続いて高台にある大鳥居へ。鳥居の上部に入れたら願いが叶うというお賽銭箱があり、例えるならバスケットゴールのような…。何人かチャレンジしており、空いた時を見計らい、下から上へ放れば入るかとチャレンジしてみましたが、硬貨が平たく軽いため思ったより高く上がらず。一度では入らず、放物線を描くように真上に向けて入ったものの、箱の底に丸穴が開いており、入った振動で入れた以上のお賽銭が舞い降りてきました。どうやら想定内なのか、鳥居脇の手の届く高さのところにもお賽銭箱があり、拾って入れて完了。拝殿を参拝し、鳥居脇にあるセルフ式の授与所で御朱印を頂きました。

角島灯台

神社を出発し、再び国道191号線まで戻り下関方面へしばらく道なり、右に曲がり県道275号線、海士ヶ瀬公園付近の交差点で276号線と進みCMなどで有名な角島大橋を渡ります。10分もかからず島の西側にある灯台付近に到着です。

角島灯台は英国人技術者の指導のもと、日本海側に初めて建てられた洋式灯台で、明治9年に点灯し、2020年に重要文化財に指定された現役の灯台です。建設時29.6mは日本で一番背の高い石造の灯台(現在は出雲日御碕灯台)だったそうです。花崗岩を用いているため、積み上げられた石の色がまちまちで単一の白さでないところ、積み目がはっきりと分かるところが特徴的です。国内16ある、のぼれる灯台のうちの一基で、受付で参観寄付金とスタンプ帳を渡し、灯塔の入口へ!

内部は表の石造りと違って、木材が使用されており船室のような感じ。螺旋階段を上って行きます。最後は急な階段のため、ロープが設置されていました。頭をぶつけないようくぐり上がると、レンズを間近に見ることができます。レンズはスコットランドで1874年に製造された1等8面レンズで、現在も建造時のものが現役で活躍中です。それ故か現役灯台としては初めて重要文化財に指定されたそうです。

灯台上部からは公園。そして、きれいな青色の日本海を一望できます。夕暮れも近いので、西の海は淡く黄色に染まっています。一周景色を見て回り、階段を降りて地上へ。同じく重要文化財に指定された旧灯台官舎内(角島灯台記念館)の展示室を見学しました。

灯台の周りは植えられたている水仙の花が満開の時期で、ちょうど見頃となっており、その景色を写真に収めようと多くの人がカメラを手にしていました。なお日没後は、本来光を放つ側の灯台がライトアップされ、夜空に石造りの灯台が美しく浮かび上がるそうです。

角島大橋

灯台見学を終えて、角島大橋を再び渡り、海士ヶ瀬公園へ。橋の見学のための公園といった感じで、大きな駐車場が整備されており、売店とお手洗い、展望台が設置されています。橋の右手(駐車場寄り)には橋名板がモニュメント化されており、橋と一緒に写真を撮るファミリー層を比較的多く見かけました。

冬だというのに青い空に青い海。海の色が実にきれいです。多少の木々で遮られはしますが、展望台は高台にあるため、日本海を背にした橋の姿を高い位置から望むことができます。なお、私的には駐車場側からのほうが橋全体が収まるのでおすすめです。

よく観光案内などの写真で見かける道路を直線的に見た景色は、展望台から撮影されたものではなく、県道275号線の一本奥の高いところを通る道(写真:展望台(角島大橋))から橋を見下ろしたものになります。10人ほど橋を眺めている様子が確認できました。

角島大橋見学を終え、明るいうちに下関には着きたいので、再び車で、県道275号線、国道191号線と南下していきます。道路を走っていると経路案内標識に気になる地名が。「特牛?」牛の等級みたいな感じな名前ですが、途中の道の駅 北浦街道豊北で謎が解けました。ちなみに道の駅からも角島大橋を望むことができます。また、直売所や食事処もあり、下関側からの角島観光前の立ち寄りスポットとしておすすめです。

道の駅を出てから、時折、海岸線近くを走り、右手には夕日に照らされる日本海。下関駅に近くになるにつれ、道路も4車線となり、景色も市街地感が増していきます。下関に着いたら火の山公園や壇之浦、巌流島と思っていたものの、日没間近となってしまいました。

あるかぽーと(下関)

下関駅の1.5kmほど東の海峡沿いに遊園地や水族館などがあり、その一帯があるかぽーとと称されています。大きな立体駐車場が水族館裏手に設置されており、車を止めて下関の街のごく一部を散策することに。

駐車場近くにあった付近を含む、唐戸地区の名所、史跡マップによると、見どころはいくつもあるようですが、まずは陽が沈む前に関門橋が見える桟橋に。下関側からの見る夕日に照らされた関門橋もお洒落で、内海の港町独特の景色を引き立てています。

桟橋からは「海響館(水族館)」や「はい!からっと横丁(遊園地)」も近く、日中は賑わっていそうですが、海響館の営業終了後のためか、人の姿はまばらです。ライトアップされた遊園地の観覧車。海響館の建物には外から水槽をのぞくことのできる窓があり、イルカ?の姿を確認できました。

続けて、あるかぽーとエリアに隣接する、飲食店などが入るカモンワーフへ向かいます。桟橋には関門汽船乗り場があり対岸の門司港行のほか、宮本武蔵と佐々木小次郎の決闘の地、巌流島行きのフェリーも発着しています。
下関といえばふぐ。カモンワーフ内はふぐ装飾で溢れており、フグのオブジェが桟橋に並んでいると思えば、建物にはふぐ提灯がずらっと並んでいます。施設内の飲食店にて、朝以来の着座での食事は山口名物の瓦そばと海鮮丼のセットにしました。

腹ごしらえの後、日も暮れてしまったので、カモンワーフ裏手にある亀山八幡宮へ。国道9号線を渡った先、大きな鳥居くぐり、ライトアップされた石の階段を上ると拝殿があります。境内にはふくの像やお亀イチョウなどがあり、神社は高台にあるため眺めも良く、下関の街を望むことができました。

駐車場に戻る途中、八幡宮の横に商店街があり、入口のアーチには昼間、仙崎で見た名前。下関は金子みすゞが20歳のときから生活し、詩をつくっていた街でもあり、街中にはそれを伝える石碑などが点在しているようです。すっかり暗くなってしまいましたが、街中であれば少しは観光できそう。海峡を渡れば九州、福岡県。山口旅行の予定でしたが、せっかくなので少しだけ足を延ばして対岸へ行くことに。駐車場に戻り、車で国道2号線方面へ進み、関門トンネルで門司港へ。

門司港

料金所を通り、港近くにある門司港レトロ駐車場に車を止めて、短い間の門司港観光。すると駐車場の近くで黄色い郵便ポスト発見! 門司港はバナナの叩き売りの発祥の地として知られ、それを周知するために設置されたものだそうです。バナナ色のポストのてっぺんにはバナナのオブジェが乗っかっています。

続けて、ガス灯通りをまわって、JR門司港駅へ。途中、海峡プラザのパネル背後には門司港レトロハイマートや旧門司税関が見えます。お店は19時クローズが多いようで、人通りはまばら。そして、徒歩15分ほどで、駅前に到着です。リニューアル後の門司港駅、そして夜景は初めてで、レトロな雰囲気を醸し出しています。

レトロな駅舎に見慣れたコーヒーチェーンのロゴ看板。店内は意外と賑わっています。今回、電車には乗りませんが、改札越しに見えるのは「もじこう」の懐かしさを感じる駅名看板。ホームには小倉方面への普通USA行き電車が停車中でした。

門司港駅をあとにし、復路は海峡寄りのブルーウィングもじ(可動橋)経由で駐車場へ。途中、先ほどまで滞在していた下関の夜景を望むことができました。そして、短い九州門司観光を終え、本日のお宿がある湯田温泉(山口市)まで向かいます。

約60kmの道のりは関門橋渡り自動車道で。山口県内、車の通りはわずかで、スムーズに到着することができました。そして、お宿近くの駐車場に到着。山口ぐるっと、ちょっと九州、2日目の旅は終了です。

23年1月22日(日曜日)に続く…

なお、掲載している情報は旅行当日(2023年1月)のもののため、ご覧いただいた時点では異なる場合がございます。ご旅行の参考とする場合(特に交通機関やイベント等)は事前に確認の上、検討をお願い致します。また、感染症の感染状況等により、行動の制限や対策が求められる場合はその指示に従い行動をお願いいたします。その上で、同地域への旅行を検討されている場合の参考になれば幸いです。

1日目(23年1月20日)山口宇部空港~萩…MAGIC! 冬の山口、長門防府の旅(1)
3日目(23年1月22日)湯田温泉~防府~宇部…MAGIC! 冬の山口、長門防府の旅(3)

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