祖谷の蔓橋

年号またぎ、西日本周遊の旅(2)

年号またぎ、西日本周遊の旅。2日目は香川県を出発し、土讃線に沿うように国道32号線で大歩危小歩危、秘境と称される祖谷(いや)に向かい、かずら橋を見て、高知方面へ。日暮れまでに愛媛に入り、九州方面を目指します。


2日目(4月28日 日曜日)

2日目もノープラン。四国4県を軽く巡って、九州行きのフェリーに運良く乗ることができればなくらいな気持ちで、宿を出発しました。


うたづ臨海公園

2日目の始まりは宇多津のシンボル、ゴールドタワーから。昨晩、瀬戸大橋を渡っている際にライトアップされているのが見えましたが、橋と同じく、22時には消灯してしまうようで、橋に夢中で写真を撮り損ねてしまいました。昼間の金色に輝くタワーを納め、近くにある海沿いの瀬戸大橋の見える公園へ。単独旅行ですが、眺めの良い、恋人の聖地(いろいろな場所にあるような気が…)から橋を眺めます。天気は曇りで橋が空に同化しそうですが、視界は良好のようで、全体を見渡すことができました。

屋島や金刀比羅宮、高松港からフェリーを使えば小豆島など、香川には名所や見所が多くあるのですが、以前訪れたことがあるので、今回は山を目指して走ります。土器川沿いを走り、行列の出来ているうどん店の横を惜しみながらも通り過ぎ、讃岐富士(飯野山)や小麦畑を眺めながら南へ。

国道32号線を通り、猪ノ鼻トンネルを抜け徳島県(11都府県目)へ。後で知った秘境駅、坪尻駅(車では駅舎までたどり着けない)付近をいつの間にか過ぎていたようで、ひとつ先の箸蔵駅が国道に近かったため立ち寄って見ました。無人の駅舎、木々の中に消えていく線路。駅の時刻表だと、しばらく列車はやって来そうも無いので進みます。三好大橋を通って吉野川を渡り、川沿いを上流に向けて走ると徐々に荒々しい景色に。そして名勝、大歩危峡へ。


道の駅 大歩危

国道32号線を高知方面にしばらく走ると現れ、川沿いに迫り出すように建つ、道の駅大歩危。お土産売場や飲食コーナーの他に、当地が子泣き爺のふるさと?のようで、妖怪屋敷が併設されています。建物下流側(飲食コーナー側)からは渓谷の新緑と翡翠色の吉野川、季節ならではのこいのぼりを合わせて見ることができ、地下駐車場脇の荒々しい階段を降りれば、これまた荒々しい岩場を歩いて、川の近くまで寄ることができます。渓谷も優美ですが、道の駅を見上げたときの建物の基礎も風景に合うかは別として圧巻です。

飲食コーナーで遅めの朝食兼昼食に。四国はうどんかと思っていましたが、当地の名物はそば(祖谷そば)のようで、山菜そばを注文。平たく少し太めの食べ応えがあり、あっさりとしたつゆがまるでスープのようでした。

ダムカードなど、旅先で○○カードを目にする機会が増えましたが、道の駅カードもシリアルナンバー入りで販売しているようで記念に購入。四国の道の駅スタンプラリーも勧められましたが、とてもまわりきれそうもないので、手持ちのスタンプ帳に押印し、秘境を目指して出発です。


祖谷のかずら橋

大歩危、小歩危と巡ったら、祖谷はすぐそば。大歩危橋を渡り、道なりに進み、トンネルを抜けると谷間に広がる町並み。温泉街を抜けて間もなくして、かずら橋に到着です。周辺の駐車スペースが限られており、乗用車は訪れる曜日や時間によって混雑しそうですが、二輪は駐車場の脇に誘導され、すんなり駐めることができました。

祖谷は日本三大秘境の一つに数えられ、今回祖谷を訪れたことで、白川郷(15年10月)、椎葉村(16年8月)と、すべて制覇。結果、一番の秘境は祖谷ではなく椎葉村ということが判明(19年4月現在の主観で)。

連休中で天気も良く、かずら橋はやや渋滞ぎみ。橋の手前で料金を払い、吊り橋で対岸へ。橋で揺れるうえに、足元は木を渡してあるだけなので、隙間から下が丸見え。高いところが苦手な方は遠慮しておいた方が良さそうですが、そうではない方はアスレチック気分で楽しめると思います。

対岸には滝のほか、川への降り口があり、岩場を伝い、橋に寄ることもできます。そこはかずら橋を下寄りから撮影できるスポットでもあります。

一回りして、駐車場に戻り、駐車場のおじさんから観光案内マップをもらい話していると、さらに奥にもかずら橋があるとのこと。そちらもぜひとのことなので、駐車場を出発して、秘境の奥地を目指すことにしました。


奥祖谷の二重かずら橋

さらに先にあるという、かずら橋を目指し、県道32号線を進むと国道439号線に接続。それは名ばかりの国道で三桁国道にありがちな、一部がすれ違い困難な狭隘道路。剣山方面に通じているようで、意外と対向車がやってきます。

駐車場で受け取ったイラストマップでは目と鼻の先くらいと思ってしまったのが大間違いで、途中引き返そうと思ってしまうほど、川沿いをくねくね走り続け、ようやく奥祖谷の二重かずら橋に到着。入り口の近く、道路に沿うよう駐車場が設置されており、待つことなく駐めることができました。

奥祖谷のかずら橋は二つの橋(男橋、女橋)、奥に野猿と呼ばれるロープウェイ(人力)があり、先の祖谷のかずら橋と比べると、川幅も狭く、祖谷渓に溶け込むように架けられています。橋を見るためには、渓谷を上り下りするため、軽いハイキング気分。渓谷を流れる風が心地よかったです。


杉の大杉

高知方面を目指すため、奥祖谷から来た道を引き返します。途中、ショートカットの国道439号線が京柱峠付近で通行止めのようで、再び県道32号線経由で大歩危駅方面へ、国道32号線を通り、高知県(12都府県目)を目指します。 夕方には愛媛入りするため、山道を走り、八幡浜へ向かうことに。

走っていると「日本一大杉」の案内看板。大きくルートは外れないようなので、矢印に誘導されるように進んでしまいました。ちょうど、道の駅大杉があったので、バイクを止めて一休み。住所が杉で最寄りの駅は大杉…、シンボル的な大木があるのでしょう。坂道をのぼり、5分ほどで大杉の元にたどり着きました。近くに駐車場があったので、自動車でも来られたようですが…。入り口付近で料金を払い、八坂神社内にある大杉へ。

推定樹齢3000年で国の特別天然記念物。一株ではなく、二株(南、北)が根元で合着した状態で、夫婦杉とも呼ばれているそうです。周りを歩きながら眺めると、それぞれの方向で様々な表情をうかがうことができ、大きいほうの南の杉で樹高60m、北の杉が樹高56m、時の流れを感じるほど巨大なその姿は圧巻です。

道の駅に戻り、駐車場の誘導員のおじさんと軽く会話をしていると、国道439号線を「ヨサク」と言うそうで。大杉を後にして、その439(ヨサク)で愛媛方面へ。国道33号経由で愛媛県(13都府県目) に入り、久万高原町、内子、大洲を通り、暗くなる前に八幡浜のフェリー乗り場に到着しました。


八幡浜、佐田岬半島

八幡浜港からは宇和島運輸とフェリーオレンジフェリーが九州に向けて運航しています。察してはいたものの、キャパシティー的に二輪車では予約なしでは乗船できない模様…。本数の多い、三崎港からの国道九四フェリーに淡い期待を抱いてみるものの、考えることは皆同じのようで、最短で翌日昼以降とのこと…。海上の国道(国道197号線)での九州入りは別の機会にお預けです。宿を予約していなくて良かったものの、同日中の九州入りは困難なため、ついでに佐田岬の先端を目指してみることに。辺りはすでに闇に包まれており、前照灯の明かりだけを頼りに進みました。

細長く伸びた佐田岬半島ひた走り、辿り着いた駐車場。しかし、灯台までは駐車場から徒歩で行くしかないようで…。駐車場から望む海に辛うじて見える灯台の明かりと宇和海を眺め、来た道を戻ることに。

宿やルートの検討のため、三崎港を通り過ぎ、八幡浜まで進みます。行きに見かけた温浴施設「八幡浜黒湯温泉みなと湯」でお湯につかりながら行程を検討することに。21時ごろに訪れましたが、連休中なこともあり、駐車場がほぼ埋まるくらいの混雑ぶりでした。


松山市内へ

今日中の九州入りはあきらめ、予定を変更して九州を目指すことに。松山からも瀬戸内海縦断航路がいくつかあり、多少のショートカットはできそうなものの、時期的にフェリーは不確定要素が多いため、陸路で進むことに。本四連絡橋のうち、一番西寄りの瀬戸内しまなみ海道(尾道・今治)ルートです。温泉で暖を取った後、当日の宿は困難と判断、漫画喫茶かカラオケボックスでもと、選択肢の多いと思われる松山を目指すことに。

大洲まで戻り、松山自動車道(E56)で松山市内へ。途中、伊予灘SAで松山の夜景を眺めてから、松山ICで降り、近くにある漫画喫茶(快活CLUB)へ。

市街地から若干離れていることもあり、静まり返った街を抜け、国道11号線沿いの快活CLUB愛媛重信店に到着。ここでも考えることは同じのようで、県外ナンバーのバイクが勢ぞろいしていました。

初、漫画喫茶。会員カードを作る際に、記入する住所と店舗の住所とのギャップに何となくワクワクしながら登録し、すんなりとはいかないものの1時間ほどでスペースを確保することができました。横にはなれないので、車中泊のような感じ…。しかし、サービスエリア仮眠より快適です。3日目の宿ありきの行き先を選定し、浅い眠りにつくことに。明日はどうなることでしょう。

19年4月29日(月曜日)に続く…


なお、掲載している情報は旅行当日(2019年4月)の情報のため、ご覧いただいた時点では異なる場合がございます。ご旅行の参考とする場合(特に交通機関やイベント等)は事前に確認の上、検討をお願い致します。
同地域への旅行を検討されている場合の参考になれば幸いです。

1日目(19年4月27日)東京~香川…年号またぎ、西日本周遊の旅(1)へ
3日目(19年4月29日)愛媛~大分…年号またぎ、西日本周遊の旅(3)へ
4日目(19年4月30日)大分~島根…年号またぎ、西日本周遊の旅(4)へ
5日目(19年5月1日)島根~鳥取、但馬…年号またぎ、西日本周遊の旅(5)へ
6日目(19年5月2日)鳥取、但馬~愛知…年号またぎ、西日本周遊の旅(6)へ
7日目(19年5月3日)愛知~東京…年号またぎ、西日本周遊の旅(7)へ