摩耶ケーブル

つかの間の和ぎ、近畿、初詣の旅(2)

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22年1月。元日からの近畿の旅。コロナ禍のつかの間の和ぎ。以前の賑わいは戻らないものの、対策を取りつつ、様子見でまわる世間。昨年の九州旅行以来の2泊3日の旅。2日目は京都観光の予定を変更し神戸へ。鉄道やバス、歩いて神戸の街の海から山へ。港町満喫の2日目です。


2日目(1月2日 日曜日)

2日目の朝。宿を出発し、大阪メトロで梅田まで。そして、阪急大阪梅田駅へ。三路線(宝塚線、神戸線、京都線)が発着する阪急の巨大ターミナル駅で、頭端式ホーム構造とその規模は圧巻です。今回は神戸線に乗車し、花隈駅まで移動します。十三駅までの区間は三路線が並行する複複々線で時間により三線同時に出発する風景が見られます。

淀川を越えて、少しして電車内の照明が消えました。セクション通過?は無いし、誰も気にしていないようで…。周りを見回してい見ると車内にSDGsについての装飾がされています。どうやら、その一環で社内照明を落として走行しているようでした。太陽の明かりが程よく差し込み、薄暗い車内、ウトウトしてしまいそうです。

30分ほど電車に揺られ、花隈駅に到着。神戸の街は海から山までの距離が短いので、東西に延びる鉄道が密集している感じです。この花隈駅のある神戸高速線もその一つで、隣の高速神戸駅で海側を走ってきた阪神電車と合流しています。


花隈、神戸元町

大きな道とJRの高架橋を渡って港の方へ。5分ほど歩いて神戸元町の商店街アーケード内にあるハンバーガーショップへ。予定を変更して、このために神戸にやってきたといっても過言のないノープラン。お店に到着したときには、すでに行列ができていました。

天気は良いもののアーケード内は日が当たらないので少々肌寒い感じ。そこで1時間ほど待って、ようやく順番が回ってきました。暖かい店内、せっかく並んで待ったので、一度に色々な味とボリューム感を得られるダブルベーコンチーズセットをオーダー。

コンパクトに見えて、最初は物足りないかなと思ったものの、ハンバーグがジューシーで高密度。ベーコンも肉厚で、お肉を食べてる満足感が半端なかったです。朝、何も口にせずやってきたのは正解でした。それでも胃袋は120%の大満足。行列も延びてきているので、長居せずにお店を後にしました。

食休みがてら、付近を散策。近くにあった、難読の走水神社(はしうどじんじゃ)を参拝。街の中にひっそり佇む歴史ある小さな神社です。本日の旅の安全を祈願して、とりあえず港のほうに向かいました。


ポートタワー~三宮

走水神社を出発して、途中、めずらしいビーフンの自販機やおしゃれなバスを眺めながらポートタワーの近くのクルーズ船ターミナルに到着。

近くにはショッピングモールやホテルが立ち並んでおり、天気も良いので、買い物客や観光客で賑わっています。ただ、街のランドマーク的存在でもある神戸ポートタワーは耐震改修工事のため休業中。タワーの半分以上が足場で覆われており、てっぺんには作業用のクレーンが設置されており、それ故、いつもより背が高くなっています。工事が終わるまでの間、入館することはできませんが、期間限定のタワーの姿も旅の思い出。青空に映えるベールを纏った赤い鉄塔を写真に収めました。※並べている写真は2007年に訪れた際のポートタワーの写真です。

次はどこに行こうか調べてみるも、クルーズ船やシーバスはルートや運行時間等の都合で、以後の行動が限られそうだったので、海からではなく、山から神戸の街を眺められればラッキーくらいな感じで、ひとまず三宮方向へ移動することに。
途中で見つけた、神戸の街並みが描かれた消火栓蓋。そこから少し歩いて神戸の中華街。ちょうど昼食の時間帯だったのでかなり混雑しています。しかし、ハンバーガーが未だに胃袋にとどまっているので、中華街は香りを楽しむだけにして、おしゃれな交番のある元町駅前へ。

JRの高架をくぐって三宮方面、そして山側、生田新道に。


生田神社

道は初詣のためか、歩行者専用になっており、コロナ禍でご無沙汰だった屋台がずらりと並んでいます。普段ならベビーカステラなど買ってしまうのですが、相変わらず満腹だったので一人、寄り道せ生田神社の参道まで進んでいました。

すると、同行していた友人の姿が見当たりません。連絡してみるとりんご飴を片手にやって来ました…。そんな、りんご飴の友人と合流して改めて参拝の列に。
生田神社は二度目の参拝、以前はコロナ禍前の年末年始に西日本を二泊三日で巡ったときの元日に訪れました。さすがに今回は、その時ほどではありませんが、控えめながらも賑わいを取り戻しているように見受けられました。

朱色の楼門を通り、拝殿でお参りを済まして、友人は初参拝なので御朱印をいただきに社務所へ。私は左右に分かれる岐路で反対側に進んでしまったので、待ち時間にQRコードをスキャンしておみくじを。結果がスマートフォンで出てくるのかと思いきや、スマホではくじ番号表示までで、支払いとくじの結果は別テントにて、従来の紙のおみくじをいただきました。少々拍子抜けですがそこそこの内容だったので、記念にお財布の中に。

友人と再び合流し、神社を後に。生田新道で三宮駅前まで、山方面に向かう交通機関を探しながらウロウロと。どうやら、少し先の駅から路線バスが出ているようで、阪急電車で移動することに。

三宮から二駅目の王子公園駅。ジャイアントパンダがいる市立動物園やスタジアムが近くにあるようですが、昼も過ぎていたので、これから訪れる人は少ないようです。駅の近くのバス停を探して待っていると、小さな路線バス(坂バス)がやって来ました。


摩耶山

乗車後、しばらくしてバスは川沿いの坂道を力強く登っていきます。徒歩や自転車では息切れしそうなくらい。地形的に観光路線というよりは地域住民の大事な足でもあるようで、住宅街を通り抜けていきます。そして、たどり着いたケーブルカー駅。住宅街に設けられた公園の入口のような佇まいで、時間的に登山帰りの方々が帰りのバスを待っているようでした。

構内のチケット売り場。登山や別ルート経由の利用もあるので、チケットには片道やケーブルカーのみなどもありだったようですが、何も考えず、ケーブルカー&ロープウェイの往復券を購入。別ルートや登山は時間的に困難だったので結果オーライですが、朝からであれば一考です。ケーブルカーは20分間隔で運行しており、停車していた車両に乗り込み出発を待ちます。

摩耶ケーブルは1925年に開業した、歴史のある路線で母体が変わりつつも、現在は公社が運航を担っています。前日の高野山と比べるとコンパクトな一両編成。出発後、ゆっくりと上っていきます。途中、新幹線の六甲トンネル(西宮から新神戸付近までの長大トンネル)の上を通り過ぎ、ケーブルカーには珍しく、途中にトンネルもあります。トンネルを出てすぐ下り車両とすれ違い、5分ほどで虹の駅に到着しました。一帯は国立公園に指定されているようで、ケーブルカー駅前に木製看板が設置されています。

乗り継ぐロープウェー駅(虹の駅)まで、徒歩で歩いていきます。


まやロープウェー

すぐにロープウェー駅に到着。運行間隔等はケーブルカーとロープウェーとの間で乗り換えに無理のないよう設定されており、駅舎にはお手洗いや小さな休憩スペースもあり、摩耶遺跡と称された案内や資料コーナーを見学。ケーブルカーの開業より、間もなく100年が経とうとしており、一帯には歴史的な遺構が残されているようです。また、プラットホームまでの通路にはそれぞれの路線のスペック表が掲示してありました。

立席で20人ほど乗れるでしょうか、4人が座れる小さな座席がついた小型のゴンドラ。乗車し扉が閉められます。山頂へ向けて動き出すと、すぐに左手に遺構が見えてきました。旧摩耶観光ホテルで、現在は営業を終了し、荒廃となっているものの国の登録有形文化財として、2021年に登録された摩耶遺跡の一部です。倒壊の危険があるため、中に入ることはできないようですが、ロープウェーから見ることができ、廃墟越しに見える神戸の街並み、その廃墟は変わりゆく神戸の街を見守っているかのような風貌でした。

そのほか神戸の街はもちろん、大阪湾、大阪平野が一望でき、眼下に広がる大パノラマを満喫できました。

乗車時間約5分で摩耶山の山頂近くに設置されてた星の駅に到着。摩耶山の標高が702mということで、駅舎には標高を冠した食堂のほか、売店も設置されていました。


掬星台

星の駅の駅舎からすぐの場所に広場があり、公園のようになっています。掬星台(きくせいだい)と名付けられた広場から迫り出すように設置された展望台ではロープウェーより高い位置からの景色を楽しむことができます。時間が15時を過ぎていたので、西日が強まり、景色は少し霞んで見えるようでしたが、昼頃までいた、神戸ポートタワー周辺や神戸の人工島。そして、大阪の街や生駒山地、その奥の山々まで一望できました。

掬星台からは夜景も美しいようで、ケーブルカーやロープウェーも日によって、夕方以降の運行も行っており、展望台からい1000万ドルと称される神戸大阪の夜景を楽しむことができるそうです。前日のあべのハルカスよりも高い位置からの夜景も機会をつくって訪れてみたいものです。


摩耶山天上寺

広場付近から六甲方面へ向けて路線バスも運行されているようですが、ロープウェーより早い終車のようで、既に終わっていました…。若干の起伏と距離があるようですが、近くにある天上寺まで徒歩で向かうことに。付近には昔、遊園地があったそうですが、道沿いにその痕跡はすでになく、現在は自然観察園となっています。徒歩で10分ほど西山門に到着です。摩耶山天上寺は646年に孝徳天皇の勅願によって開かれた寺院。後に弘法大師により、お釈迦様の生母である摩耶夫人の尊像を奉安され、ご本尊の十一面観音と女人守護の摩耶夫人尊をお祀りしていることから、女人高野として知られているそうです。前日、高野山を巡ってきたので、何となく繋がりを感じてしまいました。

西山門からは長い階段が続いており、掬星台より歩いてきたあとの階段上りは少々きつく…。階段の途中には当地の名のついた軍艦摩耶の碑、階段の終わり手前にカエルの像が労ってくれます。何となく若返ったでしょうか。
天上寺は高台に建てられた寺院。もともとロープウェーの駅間、山腹付近にあったものが、火災のために一部を除いて焼失したため、1970年代に再建され現在の場所になったそうです。本堂参拝後、堂内で御朱印を頂き、境内の天空の大舞台へ。展望台になっており、掬星台からは見えなかった淡路島方面の景色、明石海峡大橋とオレンジ色に輝く瀬戸内海がはっきり見えました。

帰り際、再びカエルに見送られて、来た道とは別ルートで掬星台へ戻ることに。軽いハイキングのような山道を歩いて石舞台を経由し広場へ。


神戸から大阪へ

ロープウェー、ケーブルカーと乗車し、神戸の街へ。帰りのケーブルカー車内はぬいぐるみの動物たちであふれていました。

駅前のカピバラ親子に別れを告げ、バスで今度は灘駅前まで。到着した頃には日も落ち、お酒で有名な灘周辺の散策は叶いそうもありません…、その代わり行くとは別ルートの阪神電車に乗って大阪梅田駅まで戻ることにしました。

JR灘駅と阪神の岩屋駅は至近距離。近くには県立美術館があるようなので、駅名に副駅名が表示されていました。駅には普通列車しか停車しないようで、少々電車を待って、入線してきた鮮やかな青の車体の普通大阪梅田行きに乗って、御影駅で直通特急に乗り換えます。

やってきた、何となく年季の入った山陽電車の5000系電車で引き続き大阪梅田を目指します。途中、高級住宅街のイメージがある芦屋や、高校野球で有名な甲子園の近くを通り、40分ほどで阪神電車の大阪梅田駅に到着しました。


大阪梅田

阪急のプラットホームほどではないですが、車止めのある終着駅。乗ってきた電車は姫路まで行く直通特急として折り返していきます。駅は改築工事中で、完成するのは先のようですが、日々進化しているようです。大阪の地下は複雑なので分かりやすくなると…。

せっかくなので梅田の街を散策、阪急三番街や新梅田食堂街をぶらり。空いているお店でもと思ったものの、さすがに大阪の中心街、混雑しています。そのため、前日に引き続き大阪名物のたこ焼きを手に入れ、御堂筋線で心斎橋まで。

飲食店も早々に閉まってしまうため、地下街にあった飲食店で食事後、お宿に戻って2日目の旅は終了です。3日目は大阪を出て三重、伊勢神宮へ向かいます。

22年1月3日(月曜日)に続く…


なお、掲載している情報は旅行当日(2022年1月)のもののため、ご覧いただいた時点では異なる場合がございます。ご旅行の参考とする場合(特に交通機関やイベント等)は事前に確認の上、検討をお願い致します。また、感染症の感染状況等により、行動の制限や対策が求められる場合はその指示に従い行動をお願いいたします。その上で、同地域への旅行を検討されている場合の参考になれば幸いです。

1日目(22年1月1日)和歌山(高野山)~大阪市内…つかの間の和ぎ、近畿、初詣の旅(1)
3日目(22年1月3日)大阪~伊勢…つかの間の和ぎ、近畿、初詣の旅(3)

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