早々の梅雨明け、6月の猛暑。暑い日が続きますが、今回は約2ヶ月前の雪景色で涼をお届けします。2022年5月。富山県立山町。富山地方鉄道立山線の終点、立山駅より、旅行パンフレットやポスターなどで誰もが一度は見たことのある、旅行先の定番と言っても過言ではない「雪の大谷」を見に立山黒部アルペンルートの室堂まで、旅の途中の寄り道です。
効率的な旅行の観点から言えば、黒部ダムを経由し長野県大町市の扇沢駅まで立山黒部アルペンルート全線を乗り継ぐのが理想ですが、立山駅にバイクを駐車しての観光のため、戻る必要があるということで…、今回は室堂までの往復となりました。
立山駅
立山駅には富山地方鉄道立山線のほか、県道6号線(富山立山公園線)が駅前まで通じているので、乗用車で行くことができます。駅の近くには無料駐車場が設置されているので、途中での折り返しや往復での観光に非常に便利です。
駅のチケット売り場で、事前に各区間の乗車券を購入できるため、スムーズに乗り継ぐことができます。室堂までのチケットを購入し、まずは、美女平駅を目指します。立山ケーブルカーは貨物車両を連結した珍しいケーブルカーで当初はダム建設の資材等を運ぶ目的で連結されていましたが、現在でも物資や乗客の大きな荷物(スキー板など)等を輸送するため利用されているようです。
美女平
客車から貨車を見ることができ、貨車の先端には乗務員室が設置されています。1.3km、約500mの高低差を約7分で進み、途中では火山活動で生じた材木石を見ることができます。ケーブルカーは美女平駅に到着。車体には立山で見ることのできる?動物たち(ライチョウ、オコジョ)が描かれています。
ケーブルカーのホームを出て、駅周辺の散策する間もなく、立山高原バスで室堂を目指します。観光シーズンで、臨時の直通バスが増発されているようで、予定より早いバスで室堂に着けそうです。待ち時間がある場合は美女平のターミナルに展望台や展示室が設置されているので、立ち寄って見るのも良いかも知れません。バスは美女平を出発し約23km、高低差約1500mを50分かけて力強く上って行きます。標高が上がるにつれ、辺りは雪景色へと変わっていきました。
室堂
室堂の近くになり、雪の壁はバスを凌ぐ高さとなっていきます。雪の大谷を間近で見られるよう、道路上には歩行者ゾーンが設けられており、バスは相互通行なっていました。すぐにバスは室堂ターミナルに到着。雪もあり、標高も約2450mのため、バスを降りるとひんやりとした空気に包まれました。
室堂ターミナル、ここから国内唯一のトロリーバス、立山トンネルトロリーバスが出ています。今回は室堂折り返しのため、扉の向こうに見える車体を写真に収めて、雪の大谷見学に屋外へ。
広場?には雪の大谷を生み出す除雪車が展示されており、「熊太郎」との愛称と熊野イラストが描かれています。アルプス広場には記念撮影用の看板、その上にライチョウのぬいぐるみが載せられています。付近ではライチョウの姿を見ることができるようですが、当日は目撃することができませんでした…。
アルプス広場の次はウォーキングゾーンへ。入り口から約400mが終点、訪れた日の雪の壁の最高地点は14mで気温は5℃とのこと、どおりで肌寒いこと。途中には雪の大谷の説明や雪の壁に残された手形や旅の記録?が記されています。奥に進むにつれ雪の壁は高くなっていき、ミルフィーユというか地層のように白いはずの雪の層に彩りを感じます。そして、その層はバスの車体をはるかに上回ります。
ウォーキングゾーンの終点、雪の大谷の最高地点で折り返し、その間、数台のバスを見送ります。途中、誰かの残した小さな雪だるまが、お地蔵様かのように行き交う人々を見守っていました。そして、室堂に着いた時にかかっていたもやは晴れはじめ、視界が開けてくると、アルプス広場から立山高原ホテルと大日岳の一部を見ることができました。
帰路の時間まで、室堂ターミナルにて昼食。観光客数に対してお食事処の選択肢と数が限られているため、昼食のコアタイムは混雑しており、少し時間をずらしての入店。せっかくなので、ご当地っぽいメニューをとのことで、山ですが白海老から揚げ丼を注文。思ったよりえびの数が多く満足しました。
ターミナルの裏手にはみくりが池など観光スポットもあり、当日は雪山散策の人、スキー板を持った人たちが雪山を楽しんでいました。
おみやげも調達し、そろそろ帰路に。時間になったので、乗り場に向かうと乗車口にはずらっと人が並んでいます。行きと同じく臨時ダイヤで運行しているようですが、下山の時間は集中するため、数本見送りようやくバスへ。辺りのもやはすっかり晴れ、まぶしいくらいの照り返し。走行中、鏡石平付近や滝見台など、眺めのいい場所でバスは一時停車&徐行し、車窓から素晴らしい景色を拝むことができました。
なお、掲載している情報は旅行当日(2022年5月)の情報で雪の大谷フェスティバルは終了しています。次年度の開催内容とは異なる場合がございます。ご旅行の参考とする場合は事前に訪問先の開催状況を確認の上、検討をお願い致します。
同地域への旅行を検討されている場合の参考になれば幸いです。