22年1月。元日からの近畿の旅。コロナ禍のつかの間の和ぎ。以前の賑わいは戻らないものの、対策を取りつつ、様子見でまわる世間。昨年の九州旅行以来の2泊3日の旅。関西国際空港より和歌山へ、鉄道に揺られ、高野山での初詣から、あべのハルカスまで、目まぐるしく景色の変わる1日目です。
1日目(1月1日 土曜日)
2022年元日、朝の羽田空港。久々の空港&旅行。一時期の閑散とした映像の中の風景よりは賑わいを取り戻してきた感じがするものの、過去の帰省ラッシュ時のような検査場の大行列ができるわけでもなく、お正月休みのわりには落ち着いた様子。今回は新年早々試したいことがあって、足早にゲートエリアへ。完全おのぼりさんですが、クレカ会員が利用可能なラウンジを初利用です。
航空会社のラウンジは足元にも及ばないので、クレカ会員も利用できるラウンジですが、初日の出を待ちつつ、新年最初のコーヒーで優雅な旅のスタートを。しかし、搭乗手続きの始まる時間までは僅かで、10分程度でラウンジを後にしました。
今回の近畿旅は以前、九州を旅行した友人と空港で待ち合わせで出発予定だったものの、遅刻で搭乗手続きに間に合わず、飛行機に乗れないというアクシデント(以前も別件で北海道に行った時にも…、常習犯です)。人為的なトラブルに見舞われ、優雅な旅の始まりが…。新年早々、予定外の一人旅。一人定刻通りに羽田空港を飛び立ちました。
最近は機内でのWi-Fiが一般的でネットやメールが使える便利で世知辛い世の中。なんだか仕事みたいですが、そのおかげで、アクシデントの対処も大阪に着く前に済ませることができました。そんな機内、コラボ企画でしょうか、サービスドリンクのカップが鬼滅の刃柄の紙コップになっています。
本日2杯目のコーヒー片手に久々の雲の上からの景色を堪能。飛行機は太平洋沿岸上空、紀伊山地を越え、大阪湾を回り込む航路。着陸前には淡路島や明石海峡大橋、神戸の街並みを窓から眺めることができました。友人は大阪伊丹に変更し、京都へ向かうとのことなので、本日は一人旅。関空滞在は短めに今回はJRで海を渡ります。
この空港路線、プラットホームは会社毎に分かれていますが、連絡橋は南海電鉄と共用となっており、同じ場所を走っていきます。並走する道路の看板にはスカイゲートブリッジの名が。大阪湾を一望、できればいいのですが、道路やフェンスに拒まれ、眺めは期待できません。スピードを上げて海を横断し、りんくうタウン駅、南海の線路を横目に内陸へ向かっていき阪和線の日根野駅に到着です。
和歌山行きの電車を待つ間、羽田空港で購入しておいた朝食(かつサンド)を開くと、新年一発目のくじは無難な「吉」と出ました。おみくじ付きとはつゆ知らず、神社ではなく駅のホームで運勢を告げられてしまいました…。かつサンド食べてるのに、ラッキーミートがバラ肉だなんて(^^;)
和歌山駅
阪和線で和歌山駅に到着。乗り継ぎに一時間ほど待ち時間があるので、和歌山駅から貴志川駅までを結ぶ和歌山電鐵に乗ってみることに。同電鐵はねこの駅長「たま」で有名で、終着駅の貴志駅に2015年までおり、現在はたまⅡ世が職に就いているそうです。今回の和歌山電鐵は寄り道のため、一区間190円の乗車券を窓口で購入し、出発時刻まで一面一線しかない駅をブラブラ。停車中の車両は日本動物愛護協会とのコラボラッピングですが、フラッグに描かれているたま電車も走っているようです。
ワンマン運転の二両編成の電車は定刻通り、ゆっくりと走り出しました。和歌山駅以外は無人駅となっており、車内改札になっています。あっという間に隣駅の田中口に到着。前のドアより降車し、乗ってきた電車を見送りました。※後で調べて知ったのですが、日前宮駅の近くには紀伊国の一宮、日前神宮・國懸神宮があったと…。
和歌山駅までは田中口駅まで、徒歩圏内のため、歩いて和歌山駅へ戻ります。線路沿いの道を歩いていると、例のたま電車を発見。黒塗りで豪華そうな感じ、ヘッドライト上にはティアラまでのっています。追ってフェンスの外から写真に収めてから、時間まで駅周辺をふらっと散策を。
地下連絡通路で駅ビル側へ。元日の昼前、駅前の近鉄百貨店も休業日で少しさみしい感じ。名所っぽい、前で挙げた日前神宮・國懸神宮や和歌山城も駅から距離があるようで、少し早めに改札を済ませ、構内で電車でも眺めて待つことに。
連結部のため、前面は撮れませんでしたが、ちょうど、パンダくろしお号が入線しており、パンダフェイスにお目にかかることができました。写真に収めた後、和歌山線の高田行きに乗り込み、いざ高野山の方へ。
高野口駅、九度山
新しめの電車に揺られること一時間程。ついでに途中の九度山観光もと思いつき、高野口駅で下車し、南海電鉄高野線の九度山駅を目指します。
風情のある駅舎を後にし、街の中を縫うよう歩いていると、大きな干支絵馬がずらりと並んでいる場所に。地区公民館で、年始限定でしょうか、歴代?の絵馬が展示されており、観客は一人だったのでゆっくりと鑑賞することができました。
小さなお社、高野街道と記された道を辿り、紀の川へ。九度山橋を渡り、九度山町へ入ります。道の駅で観光マップをチェックし、元日でも見学できそうな真田庵へ立ち寄ってみることに。
真田庵こと善名称院は高野山真言宗の寺院で、高野山に蟄居(ちっきょ)を命ぜられた真田幸村と父の昌幸の屋敷跡に建てられたお寺だそうです。信州から離れた和歌山の地で六文銭を拝んで、九度山駅へ。
九度山駅
近くの交差点から階段を上った高台にある九度山駅。過去の大河ドラマの放映に合わせて、のれんや幕などので装飾され、六文銭の真田色に溢れています。時刻表で極楽橋駅行きを確認すると、次の電車は高野下駅まで。終点まで行く電車は一時間ほど後…。時間つぶしに隣駅まで歩くにも、距離と高低差もあり、間に合わなかったら目も当てられないので、待合室で電車を待つことに。駅にはおむすびスタンドくどが併設されていますが、元日はお休み。駅の自動販売機のスープで小腹を満たしてからベンチで待ちぼうけ。
本線は単線ですが、駅は2線ですれ違いが可能。列車待ちの最中に特急「こうや」や普通電車を見送り、小雪の舞う中、ホームに一人。ようやくやってきた極楽橋駅行きの電車に乗り込み、極楽橋へ。
車内に標高図のような路線図が勾配のキツさを現しており、電車で標高差400m以上、カーブもキツく、力強く登っていきます。
14時ごろ、終点の極楽橋駅に到着し、乗り換え時間わずかでケーブルカーに乗り換え。
高野山駅
極楽橋駅から高野山駅までは鋼索線(ケーブルカー)で高野山の最寄まで移動します。約300m以上さらに上っていきます。2019年に導入された4代目の2両編成の車両、車内は天井に絵柄が入り、木目調の装飾といった和の雰囲気。5分ほどで高野山駅に到着です。
宗教都市として知られている高野山。熊野や吉野を含む広範囲が世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」として2004年に登録されました。
駅前にはバスターミナルが広がり、ケーブルカーの到着に合わせて、街中に向けて出発していきます。奥之院行きのバスに乗り込み、終点まで。関空よりここまで、南海線はもちろん、ケーブルカー、バスも交通系電子マネー(PiTaPa相互利用可能なSuicaなど)が使えるので、チャージさえしておけば、小銭を用意したり、運賃を気にする必要がなく、旅が楽になったものだなとつくづく実感できます。
奥之院
駅を出発し、バス専用道を通り、街中へ。路面には雪が残っており、慎重に走行して行きます。女人堂付近で一般道と合流し、先の県道53号線。奥の院前バス停より奥之院、霊廟まで、踏み固められた雪道をバス同様、転ばないように慎重に歩いていきます。途中、織田信長など歴史上の人物の墓所や慰霊碑があり、15分ほど歩いて到着です。
霊廟は大師信仰の聖地で、御廟橋より先は撮影できない区域となっており、厳格な空気に包まれています。初詣と厄払いを兼ねて、参拝に集中し巡っていきます。元日で初詣の参拝客も多く、御供所付近では供えていたお米で作った甘酒が振舞われており、冷えた体が温まりました。その後、御朱印所で御朱印をいただき、来た道を戻ることに。
下り坂になっているところもあり、尻もちをつきそうになっている人がちらほら。まるで体幹トレーニングでもしているかのようで。帰り際、英霊殿の近くまで立ち寄ってから、奥之院前バス停まで戻ってきました。
タイミング良くやってきた路線バスに乗車し、駅方面に向かいながら移動していきます。さすがに昼過ぎからだと高野山を端から端まで巡ることは難しいので、気になるスポットに立ち寄っていきます。手前に関東っぽい地名のバス停があったので、散策がてら、小田原バス停で途中下車しました。
金剛峯寺
途中、和菓子店に立ち寄ってから、バス通りを徒歩で、400mほど西へ。金剛峯寺に到着です。正門より中へ。金剛峯寺は高野山真言宗の総本山で、明治初期に二つのお寺(青厳寺、興山寺)が合併したもの。覚鑁上人が鳥羽上皇の許しを得て大伝法院を建立、その後に豊臣秀吉が母公の菩提を弔うため、建立したことに始まるそうです。
雪の積もる檜皮葺の屋根には、火災時に延焼を抑える目的で雨水を貯める桶が載っている不思議な外観。玄関が2つあり役職によって使用する出入口が違っていたそうです。建物内は見学できるようになっており、表の落ち着いた雰囲気とは異なり、鮮やかな襖絵のある広間、お寺というよりお城の一室のような感じでした。
廊下を歩いて、中庭や台所などもぐるりと見学。奥之院につづき、御朱印をいただき、再び正門より。右手に進み、壇上伽藍へ。
壇上伽藍
現在も現役で時刻を告げる、六時の鐘を右手に蛇腹路を通って壇上伽藍へ。これまで見てきた建物とは異なり、鮮やかな朱色の目立ちます。高野山のシンボルでもある根本大塔は見上げるような高さ。その高さのため、落雷が多かったようで、火災で5度も焼失し、その都度再建され、現在の建物は1937年に再建されたものだそうです。帰りは中門側へ。中門の再建は2015年と比較的近く、大塔と同じく、幾度かの消失と再建を繰り返し、現在に至っており、正面左右に配置されている持国天像、多聞天像は古く、1820年のものだそうです。
列車の時間まで時間も無くなってきたので、総門である大門は見ることはできず…。中門より道沿いに歩き、霊宝館前バス停より、高野山駅行きのバスで駅まで戻ることに。来た道を戻る途中、女人禁制時代の名残でもある現存する女人堂(昔は7つあった)脇を再び通り過ぎ、駅に到着。
高野山のキャラクターのこうやくんと、キャラクターの入った南海りんかんバスのツーショットをカメラに収めてから、ケーブルカーで極楽橋駅まで戻ります。
ケーブルカーで極楽橋駅へ。車内には高野山の交通安全守が乗車客より見える位置に取り付けられており、以前、京阪電車に乗車したときに見た成田山不動尊(寝屋川市)のお守り以来。会社や路線によっては安全を願って風習のような形で取り付けられることがあるようです。
特急の出発時刻まで、時間に余裕があるので、植物や動物が描かれた天井絵のある駅構内をぶらり。駅名の由来となった橋は駅の手前(紀伊神谷駅寄り)にあり、時間に余裕があれば、改札を出て見に行くことができます。停車中の特急「こうや」は4両編成、まもなく40年になろうとしている古株車両で、高野線特急として難波駅~極楽橋駅を結んでいます。
今回は新今宮まで。最近はネットで事前に特急券の購入ができるので、帰りは混んでいるかと思い、チケットレスで購入したものの、車内に人はまばらで勇み足でした。1時間少々の乗車時間、車内は暖房が効いていて、雪の残る高野山観光の後には極楽でした。
辺りはすっかり暗くなり、大阪市内。新今宮駅で下車し、阿倍野橋まで徒歩で移動します。阪堺電軌の踏切を渡って少しして動物園への案内看板。動物園の近くには、有名な通天閣もあります。あびこ筋を東へ、15分ほどで近鉄前交差点に到着です。
あべのハルカス
付近ではひときわ目立つのっぽビル。あべのハルカス。近鉄阿倍野橋駅を中心に百貨店、ホテルなどが一棟にまとまった商業ビルです。周辺交差点は歩道橋で結ばれ、ハルカス側のデッキ上には日付LEDの付いた記念撮影用のキャラクターのオブジェが設置されています。右手の入り口よりエレベーターで16階まで。
16階は展望デッキへの乗り換えフロアでもあり、美術館や屋上庭園があります。美術館は営業時間外でしたが、屋外の庭園はイルミネーションでライトアップされており、人もちらほら。少し眺めてから、チケットを購入して、展望台行きのエレベーター乗り場まで。
日にちと時間の関係か、待ち時間なくスムーズに展望フロアへ到着。目の前に広がる大阪の夜景。そして、正月飾りが出迎えてくれました。あべのハルカスは現時点(2022年)では日本一のビル(300m)で、展望台からは大阪平野の四方を見渡すことができます。近くの通天閣も上から望むことができました。
中央には中庭のような貫通エリアがあり、売店やカフェが設置されています。若干厚着で暑くなってきたので、景色的にはワインとかが合いそうですが、季節外れのソフトクリーク(限定のパインアメソフト)をカフェで調達し、夜景の見える窓際でひと休み。
展望台から降りる前に、売店等をぶらり。大阪の街並みを再現したミニチュア模型(HOゲージのような)かと思えば、お金を入れると動かせるようになる運転シミュレーター? タワーでおなじみ?の記念メダル(日付などが刻印できる)も設置されていて、勝手に懐かしんでいました。
ハルカスには1時間ほど滞在し、友人と合流するため、地上階へ。通天閣やJRの天王寺駅を地面レベルで眺めながら、地下鉄駅へ。それにしても、大阪と梅田、天王寺と阿倍野橋のように隣接していても駅名が違うところが何とも。地下鉄を乗り継ぎ、本日のお宿に。朝、行き先変更となった友人と合流後、少ない荷物を部屋に置いて、再び街に繰り出します。
道頓堀
遅い夕食のために、ご当地グルメを求め道頓堀へ。一人旅では「食」が疎かになりがちですが、今回は食べ物系がいつもより多くなりそうです。道頓堀商店街沿いのお好み焼き店、少し待って店内へ。
数度め大阪ですが、現地でお好み焼きを食すのは初めてです。目の前の鉄板上にラテアートのような模様のお好み焼き、よい香りが届いてきます。ビール片手に、粉ものは意外とお腹にたまるもので、最初は一人1枚で足りるかどうか話していましたが、1枚で十分、納得、満足しました。
食事後、道頓堀川を再び横切り、お宿に戻って1日目の旅は終了です。さて、2日目は京都の予定でいたものの何処へ?
22年1月2日(日曜日)に続く…
なお、掲載している情報は旅行当日(2022年1月)のもののため、ご覧いただいた時点では異なる場合がございます。ご旅行の参考とする場合(特に交通機関やイベント等)は事前に確認の上、検討をお願い致します。また、感染症の感染状況等により、行動の制限や対策が求められる場合はその指示に従い行動をお願いいたします。その上で、同地域への旅行を検討されている場合の参考になれば幸いです。
2日目(22年1月2日)神戸市内…つかの間の和ぎ、近畿、初詣の旅(2)
3日目(22年1月3日)大阪~伊勢…つかの間の和ぎ、近畿、初詣の旅(3)
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