琵琶湖、西の山に沈む夕日

春の滋賀、神社巡りと北濃の旅

今回もおよそ一年前。春の滋賀、神社巡りと北濃の旅。春真っ盛りの2018年5月に三重と滋賀、そして岐阜を訪れたときの情報です。滋賀は以前、余呉湖や長浜付近、17年の大晦日に多賀大社に立ち寄ったことはありましたが、宿泊だけだったり、通過するだけだったりと、滋賀を主体にしたことがなかったので今回は目的地にしてみました。宿泊地だけ押さえ、経由地やルートは時間、距離との相談のほぼノープラン。そんな旅です。


1日目

まず、東名高速道路の東京ICより愛知県内まで。出発時の天候は晴れで眺望良く、由比PA(東名)で富士山がバッチリ見えました。それから、清水JCT経由で新東名に入り、長篠設楽原PA(新東名)で軽く歴史に触れることに。伊勢方面へ向かい、途中で高速を降り、一般道で四日市に。


四日市あすなろう鉄道(日永)

四日市では珍しい狭軌(ナローゲージ)の鉄道を写真に納めるために、あすなろう鉄道の沿線で撮影ポイントを探索しました。線路に沿うよう分岐点の日永駅まで。トロッコ列車の車長を延ばしたような風貌、遠めですが良い画が撮れました。


道の駅「菰野」と国道477号線(旧鈴鹿スカイライン)

日永駅近くを後にして、宿泊地の滋賀方面へ。湯の山街道を西に進み、途中にあった「道の駅菰野」で休憩することに。売店で目立っていたゴールド缶の湯の花せんべい(温泉開湯1300年記念商品のようです)などのお土産と弁当(菰野かやく飯)を購入し、少し遅めの昼食に。ここでマンホールカードなるものを発見。ダムカードは知っていましたが、マンホールカードはお初です。カードを戴いて、駅の近くにあったマンホールを写真に収め、道の駅を出発。

湯の山温泉駅(近鉄湯の山線)前を通り、山道を進みます。進む区間の国道477号線は以前、鈴鹿スカイライン(道の駅で地元ナンバーのライダーの方に聞いて名称を知りました)という有料道路だったものが1997年に無料解放されたもので、三重~滋賀をショートカットできるので利用してみました。県境付近の武平峠駐車場では伊勢湾周辺の街並みが霞んではいたものの一望でき、駐車している車も意外と多く賑わっていました。人の気配がなくなると鹿でも出るのでしょうか、近くには動物の通った痕跡もあり、街から遠く離れてはいませんが、自然に囲まれている感じでした。休憩も程々にして、お隣の滋賀県へ。トンネルを抜けると野洲川に沿うように通る下り道となり、徐々に天気も下り坂。パラパラと雨が降りだしてきました。野洲川ダムを見て、さらに雨脚が強まってきたため、少し先の蔵王ダム湖駐車場で雨具を着用することに。

再び下り。山道も終わり、開けた場所に出た頃には雨が止んでいました。琵琶湖南東(東近江)に広がる平野を走っていると、途中、一帯に広がる水田?のような景色。しかし、よく目にする稲より規則正しく駿と伸びた濃い緑色。それは雨に濡れて、より深く見えます。気になり、路肩にバイクを停め近くで見ると、それは小麦でした。


日牟禮八幡宮

小麦畑を後にして、駐車場を探し街中をウロウロ。連休中の街中は峠道と違って混雑しています。16時頃、駐車場を確保し、いざ八幡さまへ。駐車場が17時でクローズのため、僅な時間ですが、日牟禮八幡宮へ参拝。端午の節句も近いのでこの季節ならではの境内の景色、泳ぐこいのぼりが涼しげです。

近くにロープウェイ(八幡山ロープウェー)があり、山頂から近江八幡の街が一望できるようでしたが、駐車場のクローズに間に合わないため断念。代わりに参道のたねやでのショッピング&近江八幡の街(八幡堀や近江八幡観光物産協会)を軽くぶらり。滞在時間40分の小さな街歩きでした。


琵琶湖畔

日も傾き始め、徐々に辺りはオレンジ色に染まり始めます。ただ、宿に直行はまだ早いので、NAVITIMEのツーリングサポーターおすすめのビューポイントがある、湖畔の県道を経由して、対岸へ向かうことに。途中、田んぼでアオサギがたたずむ、のどかな風景。そんな場所を抜けて滋賀県道45号線にたどり着くと、乗用車のすれ違いが難しい幅の場所がある道。穏やかな琵琶湖畔のイメージとは異なる、片側に山、片側に湖のワイルドな風景。違った琵琶湖の表情を見ることができました。

湖畔をなぞるように進み、さざなみ街道(県道26号線、559号線)に合流。続けて湖畔を走り対岸を目指すことに。薄暗くなり始め、徐々に太陽が山に沈んでいきます。琵琶湖大橋(有料道路)を渡るか考えましたが、琵琶湖と夕日を写真に収めたかったので、日没に合わせて、近江大橋まで進むことにしました。琵琶湖大橋から近くの木浜の駐車場最寄りの湖畔で、日が沈んでいくのを眺め、本日最後の一休み。対岸に見える宿まではそう遠くはないように思えます。

と思えたものの、地図でもくっきりの琵琶湖。近江大橋を渡るころには、山の向こうが淡く染まる程度に。県庁所在地である大津市内を抜けて、おごと温泉街へ。


おごと温泉

おごと温泉街のお宿に一泊。連休中、いつもの予算よりはお高めですが、たまの温泉宿も良いものです。温泉、その後での地酒の飲み比べ付きでの夜食。病み上がり&ワンマン&ほとんど走り通し。そんな旅で緊張のほどけるひととき。酔いが回るのも幾分早く感じられます。しかし、翌日もあるので、控えめにし部屋へ。お宿から見える琵琶湖の夜景。一日目が終わりました。


2日目

2日目、9時過ぎ。すっかり長居してしまいましたが、いくぶん体も軽くなったような気がします。青空が広がり、暑くなりそうですが、絶好のツーリング日和です。


日吉大社

始めに立ち寄ったのが、おごと温泉の南、坂本比叡山口近くの日吉大社。全国にある日吉、日枝、山王神社の総本宮。山の麓、木々に覆われた境内には西本宮と東本宮のほか多くのお社があり、国宝の本殿ほか重要文化財が建ち並ぶ境内はひんやり、神秘的な雰囲気。まるでタイムスリップしたかのようです。秋の頃は紅葉で有名だそうですが、新緑の季節も良いもので、聞こえてくる蛙の鳴き声や鳥のさえずりをさりげなくあるコカ・コーラのベンチ(東本宮寄り)に腰掛け聴くのもおすすめです。また、少し変わった形の山王鳥居の優美さや、その手前にある石橋の凛々しい姿は圧巻。猿が神の使いであるため、境内にはお猿さんや神猿みくじなるものも。そして、授与品の中には鳥好きとしてはマストアイテムだったのに見逃してしまった、すずめの形をした土鈴「福楽寿々米(ふくらすずめ)」があるそうです。

大社最寄りには京阪電車の坂本比叡山駅で、大社近くの比叡山鉄道を利用すると比叡山延暦寺に行くこともできますが、それは次回電車で来たときにでも。


建部大社

決して、神社巡りの旅ではありませんが、大社繋がりで、次に向かったのは琵琶湖の南側、瀬田川近くの建部大社。日本武尊をお祀りする近江国一之宮で、古代から続く長い歴史を有するものの街中に溶け込むような質実な佇まい。境内に駐車場があり、一の鳥居をくぐり抜けて進みます。二の鳥居、御神燈と書かれた大きな提灯のある神門の先に三本杉や拝殿があります。

参拝後、歴史上、交通や合戦等で要衝とされた瀬田の唐橋(県道22号)を渡り、石山寺の前を経由、国道1号線、そして名神高速道路へ。


多賀大社

湖東三山スマートICで高速を降りた後、湖東三山館あいしょうで昼食。そして、多賀大社へ。17年の大晦日から約半年ぶり、二度目の参拝。前回は初詣前で静寂に包まれていましたが、今回は陽も高く、お店も多く開いており、賑わっていました。多賀大社の祭神は日本の国土、数多の神々を産み出した伊邪那岐大神と伊邪那美大神。延命長寿などの神様として知られます。鳥居をくぐると太閤橋と呼ばれる反橋。神門の先にはお守りでお多賀杓子と呼ばれるしゃくしが多く納められています。正面、横に広がる拝殿は落ち着いた配色、後方の木々に溶け込みながらも、手前参道、玉砂利とのコントラストに神域の荘厳さを感じました。

参拝後、門前で名物の糸切餅を購入。真ん中に餡、餅の表面には桃色と水色の線の入ったお餅。生ものなので、日持ちが少々シビアで、バイクでの移動だと温度心配ですが、日の当たらない場所に。疲れた体に染みる上品な甘さです。店頭でも食べることができるようです。


北濃駅

多賀大社を出て、高速で岐阜方面へ。一宮JCTで東海北陸自動車道に入り、白鳥ICで一般道へ、引き続き長良川を遡上し、北を目指します。途中、白鳥体育館近くの橋からは清流長良川を渡すように上空を泳ぐこいのぼりを観ることができました。

そこから少し進むと長良川鉄道の終点、北濃駅です。前に付近を通った際は国道158号線で九頭竜湖方面に抜けてしまったので、今回は立ち寄ってみました。国鉄時代に福井側とつながる計画が頓挫して、終着駅なってしまった同線と同駅。山裾にひっそりと存在しています。構内、終点の看板の先には線路が続いていきそうな空間。プラットホーム奥にはSL時代の転車台が残されています。列車の本数は少なく、ちょうど滞在中に列車が入線してきましたが、下車した乗客は駅舎を出ることなく、折り返しの列車へ乗り込みます。一休みを終えた列車は再びエンジン音を響かせ乗客と共に郡上八幡方面へ。列車を見送った後、駅は静寂に包まれました。


国道158号線

北濃駅を出発し、一般道を経由し再び東海北陸自動車道に。近くのひるがの高原SAで軽く休憩を取り、高山市内を抜け松本方面へ。高山~松本間の国道158号線は何度か車やバイクで通っていますが、峠越えは日が暮れてからが多いこと。ショートカットの安房峠道路を通り、上高地方面への分岐路、温泉臭のする覆道。その先、高速バス(東京~高山)も通る狭いトンネルや曲がりくねった道を下り、市街地へ。街の灯りを見ると安心と、戻ってきてしまったという寂しさを感じるのはどうしてでしょう。

そんな街の灯りを後方に送りながら、長野自動車道で長野方面に向かい、今回の旅を終えました。


なお、掲載している情報は旅行当日(2018年5月)の情報のため、ご覧いただいた時点では異なる場合がございます。ご旅行の参考とする場合(特に交通機関やイベント等)は事前に確認の上、検討をお願い致します。
同地域への旅行を検討されている場合の参考になれば幸いです。

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