少し前よりもっと前、ずっと前の旅の記憶やその一部。その旅での思い出や、その時の写真を交え、記事にしたものです。今は無いもの、変わってしまったもの。今回は碓氷峠と信越本線(主に鉄道)です。主な記事、写真は訪れた1997年8月以降(前後のものもあり)のものになります。撮りためたアーカイブからの記録と記憶の復元のため、記事は不定期で追加していきます。
めがね橋(碓氷第三橋梁)
記載:2021年8月15日(日曜日)
群馬県安中市。国道18号線(旧道)の途中でレンガ造りの大きな橋が視界に入ってきます。それは碓氷第三橋梁(通称:めがね橋)。旧信越本線の橋梁で、アプト式と呼ばれる軌道とその機関車が行き来していたた時代の名残で重要文化財の一部として現存しています。
横川~軽井沢間は明治26年(1893年)4月に開業し、これにより高崎~直江津(信越本線)が鉄路でつながりました。横川~軽井沢間の11.2キロメートルは66.7パーミル(66.7‰:水平1000m移動対して標高が66.7m変化)の急勾配のため、ドイツの山岳鉄道で実用化されていたアプト式が採用され、昭和38年(1963年)まで走り続けていました。
旧線から引き継いだEF63電気機関車を用いて峠越えを実現していた新線も1997年9月30日をもって廃止となり、旧線ともに列車の往来はありませんが、横川駅よりアプトの道として、この碓氷第三橋梁を含み整備されており、沿線の一部を歩いて見学することができるようになっています。
国道18号線(旧道)沿いに駐車場(2015年にトイレも設置されました)が整備されており、アプトの道経由以外でもめがね橋を訪れることが可能です。橋梁上は歩道(アプトの道)となっており、碓氷川の上流方向には新線の橋梁を見ることができました。
※この項目の写真は2003年5月のものです。
変電所(旧丸山変電所)
記載:2021年8月15日(日曜日)
丸山変電所は明治45年(1912年)に建築され、二棟で構成された工場建築に近いレンガ造りの建物です。鉄道施設のため、横川駅を出て、霧積川を渡る手前の線路わきにあります。見学にはアプトの道を利用して徒歩で向かう必要があります。
変電所現役時は横川側の大きな建物が蓄電池室で蓄電池が並べられており、軽井沢側の小さな建物が機械室で回転整流器と変圧器が設置されていたそうです。急勾配を駆け上がっていくために必要な設備だったようでしたが、役目を終えた後はそのまま風化している状態(動画を参照)でした。
しかし、区間の廃線後、周辺の鉄道設備が観光用途に整備される過程で、修復され現役当時の外見をほぼ取り戻して今に至っています。
※この項目の写真は2003年5月、 動画は1996年3月のものです。
なお、この記事の情報は(1997年~)の過去のもので、投稿時点で無いもの、変わってしまったものなど、状況が異なります。同地域への旅行を検討されている際、過去の情報(資料)として参考となれば幸いです。