余部鉄橋

タイムトリップ(余部鉄橋)

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少し前よりもっと前、ずっと前の旅の記憶やその一部。その旅での思い出や、その時の写真を交え、記事にしたものです。今は無いもの、変わってしまったもの。今回は餘部橋梁(鉄橋)です。記事、写真は訪れた2008年11月のものになります。


餘部駅

兵庫県北部。日本海沿いの美方郡香美町に餘部駅はあります。山陰本線の駅で、線路が敷かれた時に建設され、明治45年3月(1912年)の開通当時より使用されてきた赤いトレッスル橋がシンボル的存在でした。餘部駅は山陰本線敷設当初にはなく、設置されたのは昭和なってからのこと。駅は山腹にあり、訪れた当時は設けられた歩道を使って駅と集落を行き来する必要がありましたが、現在(2021年)は隣接施設に設置されたエレベーターを使って、ホームへと向かうことができるようになっています。

通過する特急を除いて往復22本が行き来していた餘部駅。11月に訪れたので山の木々は色付き、柿の実も色鮮やかに生っていました。
単線、非電化区間で架線や架線柱がなく、トンネルから直線的に延びる線路。新しい橋の建設のため駅構内に踏切があり、仮設のプラットホームに二両編成の気動車が行き来します。

駅からは余部漁港を望むことができ、集落を結ぶ道の途中では鉄橋を横より見上げることができました。


余部橋梁

国道178号線に沿うように街が広がり、頭上、41mの高さ、空に架かるように横切る鉄橋。鉄橋の隣(陸寄り)には新しい橋の橋脚を建設中で、工事現場には橋梁(鉄橋)の説明看板が設置されていました。

施工明治42年12月16日(1909年)
開通明治45年3月1日(1912年)
諸元高さ:41m45cm
延長:310m59cm
橋台:2基
橋脚:11基
鉄桁:23連
塗装面積:21,382㎡
使用鋼材橋脚(トレッスル)
構脚製作アメリカンブリッジカンパニーペンコイド工場製
鉄桁製作石川島造船所製
工事費等総工事費:331535円
総人工:25万人
橋梁概要

鳥取方面に向かう途中に途中下車したため、次の普通列車の時間まで、国道沿いを橋を見上げながら徒歩で散策。赤い橋は空の青の中で実に映え、鉄道写真のスポットとして幾度も取り上げられてきました。橋梁中央付近には「山陰本線 余部橋りょう」の文字が入っています。
※文字の入った部分は現在(2021年)道の駅の駐車場内に展示されています。

普通列車以外に一日2往復しかない、特急はまかぜ(キハ181系)の鉄橋通過を見ることもできました。駅に戻る前に橋梁下から橋脚を見上げます。細身ながらも力強く、落下物防止の金網やフェンスが設置されているものの鉄橋ならではのフォルムは圧巻です。

優美な姿を見せていた余部鉄橋ですが、1986年の列車転落事故や、車両や橋梁からの落下物などで、人的被害や直下にある家屋等が影響受けたほか、老朽化も進んでいました。そして、98年間、何度も補修を受けてきた鉄橋(旧橋)は2010年に役目を終え、新設されたコンクリート橋へバトンタッチされ、鉄橋の一部は観光施設として保存され今に至っています。


なお、この記事の情報は旅行当日(2008年11月)のもので、投稿時点で無いもの、変わってしまったものなど、状況が異なります。同地域への旅行を検討されている際、過去の情報(資料)として参考となれば幸いです。

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