吉野ヶ里歴史公園からの街並み

春初、有明海を囲む旅

今回はおよそ一年前、2018年3月10日、11日にふらり春間近な九州(有明海沿の4県へ旅に出たときの情報です。有明海を囲むと言っても、海上ではなく、陸路や航路でぐるりの一泊二日駆け足の旅行です。
サイト開設前より各県巡って来ましたが、佐賀県は長崎から福岡への移動に利用した特急電車で通過(通り抜け)しただけだったので、この旅により、形式上47都道府県足を踏み入れたことになりました。


1日目

▲ルート周辺地図(九州佐賀国際空港)


羽田空港より九州佐賀国際空港へ

福岡、長崎と比べ、全日空のみで便数が少なく(5往復。成田から春秋航空も運航あるようです)、福岡のほうが便利かもしれませんが、比較的席の確保がしやすい穴場路線。朝イチの便に搭乗、羽田空港は幾度と利用していますが、羽田空港でボーディング・ブリッジではなく、バスで移動しタラップを使って乗ったのは初めてです。記憶の限りだと伊丹でプロペラ機に乗り換えるとき、小さなタラップで…。

搭乗便の機材メンテで羽田空港を少し遅れての離陸。ですが、到着はほぼ定刻着でした。一年少々ぶりの九州。初めての佐賀県上陸。空港の看板、「九州」付けなくても「佐賀」で良いような気もしますが、国際便も離着するので、海外からのお客様向けと思って勝手に納得。早速、空港を起点にパックツアーのお得なレンタカーで移動開始です。


筑後川昇開橋

空港から有明海を時計回りに車を走らせると見えてくるのが鉄道遺構の昇開橋です。東京タワーや餘部鉄橋(今は一部だけ存在)のような赤く塗装された鉄骨むき出しの堂々とした造り。1987年3月に鉄道(国鉄佐賀線)が廃線になってから、現在では遊歩道として利用されています。しかし、訪れたときは補修中(2018年3月)で橋を歩いて渡ることはできませんでした。ただ、可動部が上がっている(中途半端?)姿を写真におさめることができました。


吉野ヶ里歴史公園

筑後川昇開橋より筑後川を遡上し北方向へ。佐賀の代名詞的スポット、吉野ヶ里遺跡(吉野ヶ里歴史公園)へ。歴史の教科書で名を聞くことはありましたが、実際に訪れるのは今回が初めて。電車だと、JR吉野ヶ里公園駅(長崎本線)が最寄りで、車だと駐車場も広く、交通の便はとても良いです。
園内、歴史パーク的な要素が大きいかと思いましたが、とても広く、お土産売り場や体験コーナー、広場などもあり、歴史を感じながら、のんびりとした時間を過ごすことのできそうな雰囲気です。また、園内の櫓から望む景色は、高所の展望台から見下ろす都会の景色とは違った一体感を感じることができます。


大川内山(鍋島藩窯)

一休み程度の滞在時間で公園を後にし、車を西へと走らせ、次に向かったのが大川内山(伊万里市)。地図だと山あいのありふれた集落ですが、鍋島藩の窯があったところで、今も焼き物の街。鍋島焼として知られています。ここを含め、佐賀ではピンと来なくても、有田、伊万里と聞けば頷くことができる、一帯は焼き物(陶磁器)の産地です。街中には煙突がそびえ、焼き物のお店が軒を連ね、それぞれ特色があるので、見て回るだけでも楽しいです。もちろん、購入できるので、お気に入りの器を探してみるのも良いでしょう。


南下し、長崎県へ

今回は有明海を囲む旅。有田に伊万里、松浦鉄道?足を伸ばせば観光スポットが多く存在するのですが、日が暮れる前にお宿に向けて、車を南へと走らせます。近くに武雄温泉、嬉野温泉といった温泉地はありますが、長崎自動車道で長崎へ。途中、諫早にて東へ進路を変え、島原方面へ。橙に染まる橘湾を眺め、山道を進みました。


雲仙温泉

宿周辺、雲仙温泉にたどり着いた頃には、辺りが藍に染まり、街に漂う湯気がほのかに明るく見える幻想的な雰囲気に。夕食間際で街を歩く人は少なく、車の往来が少々。真っ暗になる前に、道路沿いを見てまわる程度で温泉街を散策してみました。
春の始め、夜になれば肌寒く、雲仙地獄の立ち込める湯気が色濃く見えます。そして、温泉神社や雲仙山満明寺。開いていた遠江屋本舗にて一休み。こちらでは名物雲仙せんぺいを店内で一枚一枚、型を使って焼いており、焼きたてを購入して、その場で食べることができました。


2日目

▲ルート周辺地図(島原港)


島原港フェリーターミナルへ

朝、天気も良く、前日に続き旅行日和。朝食後、フェリーの時間もあるので、早々にチェックアウトし港を目指します。

温泉街を後に国道57号線を走り、途中の俵石展望所。朝方で空気が霞んでおり、うっすらとですが海が見える景色。そして、島原港へ。フェリーに乗船する前に、港周辺を散策してみました。島原鉄道も乗ってみたかったのですが、乗ってしまうと出港予定時間に戻って来られない可能性があるため、南島原駅裏の車両基地と終点の島原外港駅をぶらり。そして、乗船前に手続きとお土産。長崎カステラは入手済みでしたが、巻き寿司のように、餡をカステラ生地で巻いたような「とら巻き」なるものを発見(すみません、写真ありません)。空港までは車に積んでおけるので、少々ズシッと重みがありましたが購入して、いざ乗船。フェリーにバイクで乗船したことはありましたが、車で自走し乗船したのは初めてです。


熊本フェリー(オーシャンアロー)

船は徐々に速度を上げ、岸から離れていきます。船は海外から観光にいらした方々で賑わっており、デッキではカメラやえびせんべいを手にした人でいっぱいです。出発からまもなくして、船と速度を合わせるように、カモメの群れが飛び交います。入れ替わり立ち替わり、乗客の手元から器用にえびせんを取っていきました。
少し前まで見上げていた、雲仙岳も景色の中央に。島原半島が収まりました。その頃にはカモメも姿を消し、遠くにイルカ?のような姿が見えました。そして、島原港を出てから30分程で熊本港に到着です。※カモメは冬~春の時期(4月頃まで)にしかいないそうです。


熊本市内(熊本城、加藤神社)

熊本港で下船し、再び陸路で熊本市内中心部へ。街中の立体駐車場に車を止めて、いざ熊本城へ。ちょうどくまモン誕生祭2018というイベントを市民会館で開催中で、イベントグッズの販売やガリガリ君の九州みかん味を無料で配布していました。当日は軽く汗ばむ陽気。クールダウンでき、大変ありがたかったです。
会場で一休みし、近くの加藤清正公の像を見てから、行幸坂を上ります。桜の花はまだつぼみでしたが、もう2週間ほどすればお花見で賑わうのだろう。そう思いながら歩んでいると、石垣が見えてきました。地震で被害を受けた石垣やお城の修復(18年3月)は続いており、離れた場所からでしたが、お城を望むことができました。
続けて、熊本城公園を抜け、迂回するようにお城の敷地内にある、清正公を祀る加藤神社へ。参拝後、御朱印をいただき、境内を後に大神宮、お稲荷さまを右手に再び街へ。


新旧いろいろな車両が走る、熊本市電。辛島町より市電A系統に乗って熊本駅まで。


熊本駅~上熊本駅

熊本駅前で市電を降り、JR線に乗り換え。旅の終盤はやや鉄分が多めになっているような気がします。熊本駅、在来線は30分間隔のため、駅や駅前を巡る間もなく鳥栖行きの電車に乗り込みました。
乗車区間、1駅。上熊本駅に到着です。乗換駅ですが、駅前はすっきりしていて、右手に市電、左手に熊本電鉄の駅舎があります。JRの駅を出てから間もなくして、見覚えのあるくまモンいっぱいのラッピング車両が入線してきました。そんな黄色い車両を写真におさめ、帰りの飛行機の時間もあることなので、市電乗り場へ。市電乗り場はレトロな感じで、止まっていたのも床は板張りの年季の入った車両でした。


再び、佐賀へ

上熊本駅より市電B系統にて市中心部、車を止めた立体駐車場の最寄り駅まで。そして、空港までは再び車での移動です。熊本ICより、途中福岡県入りし、みやま柳川ICから一般道を走ります。車移動での楽しみと言えば、道の駅?通り道の「道の駅 みやま」で最後の一休み。旬のいちごや最寄りの八女のお茶などの名産品がずらり。スーパーや普通のお土産売り場での買い物とは違う四季折々、地場のラインアップが楽しめます。せっかくなのでいちごを購入。
道の駅を出て、いちごをつまみながら空港へ。海を望めそうな道を進み橋を渡るときに見えた白く霞む夕日。その下に水平線、淡く輝く有明海が見えました。そして、営業中のガソリンスタンドが少なく焦りましたが無事、九州佐賀国際空港に到着。有明海を囲むことができました。
ちょっと詰め込みすぎの忙しい旅でしたが、またの機会に行けなかった場所にも行きたいものです。


なお、掲載している情報は旅行当日の情報のため、現時点は異なる場合がございます。ご旅行の参考とする場合(特に交通機関やイベント等)は事前に確認の上、検討をお願い致します。
同地域への旅行を検討されている場合の参考になれば幸いです。


旅のひとこま(熊本フェリー)も併せてご覧いただけると幸いです。

Instagramでも“Nostalgia?” 「もの懐しい?」で熊本市電の写真を投稿しています。

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