24年9月。秋の気配は徐々に近づいて来ているものの、昼間の日差しはまだ夏真っ盛り。日帰りの範囲内で、少しでも涼しいところを走りたい。そんなことで、以前より気になっていた、群馬~栃木の峠道の横断を目的にしたソロツーリングに出発です。
駒寄PA
朝から少々雲の多い空ですが、どちらかというとツーリング日和。事前にツーリングプラン(関越道・東北道コース)に申し込んでから7時前に出発。まず、往路渋滞に巻き込まれる前に関越自動車道経由で北上します。ノンストップで、駒寄パーキングエリアまで走り、遅めの朝食タイム。


何となく、季節感のある食事をと思ったので、券売機で秋の味覚、舞茸天そばを選択。腹ごしらえとルート確認を済ませ出発です。同パーキングエリア内のスマートインターから一般道へ出て、県道161号線、国道17号線バイパス(上武道路)、赤城山と書かれた看板に従い、県道4号線と進み、大きな鳥居が見えてきたので、近くにあったコンビニの駐車場に入りました。


念の為の軽食を調達し、コンビニを発つと、すぐに鳥居。それをくぐり抜けると、徐々にカーブが連続した山道となっていきます。近々、当地で自転車のイベントがあるようで、練習中のサイクリストと多々遭遇。彼らはゆっくりと山道を上って行きます。それにしても、自力で赤城山を上っていくとは相当な脚力と体力を要しそうで、尊敬ものです。



そして、既視感のある赤城山総合観光案内所(何度か訪れている)に立ち寄り、ツーリングと言えば(ソロですが)のソフトクリームを。今日は自転車率が高めで、バイクは少なめ。そんなことで、サイクリストの列に紛れ、限定のトッピングバージョンがあったのでそれを注文しました。牧場を眺めながら一休み。パフェ風な見た目で、コーヒーパウダーがアクセントなビターな味でした。
赤城神社
観光案内所からわずかな距離。赤城山山頂付近のカルデラ湖である大沼の湖畔付近へ。湖上に浮かぶように朱色の拝殿が景観に映える。神社の対岸で湖を眺めたあと、お土産店などが立ち並ぶ小道を抜けて神社の駐車場へ。砂利道なので少々難儀。出やすいよう、転回できそうな場所にとめて拝殿に向かいます。


湖の畔に鎮座する赤城神社。目と鼻の先に岸があり、水があふれて来ないのかなと思ったところ、流入河川は小さなものしかなく、湧水がほとんどで、年中水位はほぼ一定のようです。赤城神社の御祭神は赤城大明神という女神で、女性に人気のスポットだそうです。少々、気を使いながら参拝を済ませ、社務所で御朱印をいただき駐車場へ戻りました。
赤城山を上りとは別のルート、県道251号線で沼田方面へと下って行きます。途中で県道とお別れし、名もない交差点を日光、尾瀬方面、道なりに赤城川沿いを進み、南郷温泉付近で県道62号線(沼田大間々線)へ。この後は片品方面へ向かうので、ショートカットするため、右折し、県道267号線で薗原湖を経由していきます。
薗原ダム
勾配が急な道を進んで行くと、トンネル手前右手に管理事務所。トンネルを抜け、すぐのところに交差点(見通しが悪い…)があり、右折してすぐに、ダム本体が見えてきました。脇に駐車場(トンネルができる前は道だったような)があり、間近で見学することができます。
虹が出ていました、小さいけれど(^^;)
水位調整のためか、小さく放水しており、その水しぶきで、虹ができていたようです。




続けて、堤体から見えた黄色い橋?の近くまで。橋の入り口には停車できるスペース、周辺案内図があり、図によると先ほど通過してきた南郷温泉のほか、付近には老神温泉や吹割の滝などのスポットがあるそうです。そして、湖沿いの坂道を下った先にあったのが黄色い吊り橋。どこかの鉄道のように幸せを呼ぶとか、噂にはなっていなそうですが、黄色塗装の吊り橋とはめずらしい。近づくと姿は見えませんでしたが、先客の猿?の離れていく音が。幅も狭く、重量制限があるようですが、趣のある吊り橋。現役ではあるようですが、往来はほぼ無い様子でした。



道の駅 尾瀬かたしな
引き続き、県道267号線。道なりに進んで、国道120号線に合流し、片品川沿いを上って行きます。吹割の滝の近くを通り(以前ツーリングで滝観光したので、今回は滝の駅吹割のみ立ち寄って)、その少し先にあった、道の駅 尾瀬かたしなで休憩です。近くに役場などもにある片品村の中心地にあり、群馬県側の尾瀬の玄関口。施設には食堂や売店のほか、足湯やドッグランなどを備えた施設になっています。人気の施設のようで、駐車場は車でいっぱいでした。



山の向こうの雲行きが怪しくなってきたので、長居はせず、売店を一周して、ラストワンだった箱入りのとうもろこしを購入。荷台に積み込み、峠を目指して出発します。鎌田交差点では尾瀬方面へ国道401号線が延び、ここは道なり直進で、引き続き国道120号線を金精峠(丸沼、日光)方面へ。


橋の手前に、とうもろこしのオブジェがちょこんとのった二つの看板。右はロマンチック街道、左はとうもろこし街道。どっちなんだい?と思いながら、民家が少なくなってきた道を走っていると、左手に温泉の文字。気持ち良さそうな蒸気が漂っています。空模様と相談し、持ちこたえてくれそうな気がしたので、汗を流しに白根温泉でひと休みすることにしました。
入湯料を受付で支払い、脱衣所へ。脱衣棚のほか、小さめですが、鍵付きの貴重品ロッカーが設置されているので、大切なものはロッカーへ。そして、脱衣を済ませ浴室へ。


室内風呂と露天風呂があり、お湯の温度は少し高め?お肌に良さそうな感じです。露天風呂の周りの木々は青々としており、まだ夏。半身浴がちょうどいい感じ。紅葉や雪の季節は風情がありそうです。あまり温まり過ぎると汗が引かなくなりそうなので、ほどほどで上がり、休憩場で一息ついてから駐車場へ。
ドライヤーで乾かしたものの…、生乾きの頭にヘルメットを装着!
標高はさらにアップ、民家も無くなり峠道っぽくなってきて、名前は聞いたことのある、グリーンシーズンの丸沼高原脇を通り抜けていきます。そして、その先の脇道の左手に下ったところにある丸沼。日光白根山の噴火により形成された連珠湖の一つで、湖周辺から湧き出した湧水でほとんどが満たされているそうで、砂地の地面などからにじみ出て、小さな川となって注ぎ込んでいるのが分かります。




この先、お店はしばらく無さそうなので、湖畔にあった食堂でデジャブ感ありありですが、舞茸天そばを注文しました。しばらく待って出てきた、揚げたてサクサク?の舞茸天とお蕎麦に舌鼓。温泉で温まり、お腹も満たされ、旅のゴール感が出ていますが、まだ折り返し地点。金精トンネルまではあと僅かです。
冬季は通行止めとなる区間、路肩の紅白ポールがそれを物語っています。菅沼バス停付近を過ぎ、標高は1700m超。しかし、他の高地道路と違い、木々が生い茂り、その高さを感じさせません。そして、ふと現れるトンネル。留まることなく吸い込まれていきます。




金精(こんせい)トンネル
755mと比較的短いものの、国道に設置されたトンネルとしては一番高地にあり、その標高は1843m。(国道の最高地点は国道292号線の2172m)トンネルを抜けると栃木県、奥日光。これまでの景観と変わり、ゴツゴツとした山肌に。抜けてすぐのところに駐車スペースがあったので、せっかくなので立ち寄ります。
駐車場には施設等は無く、車を止めるスペースだけ。近くに標高の書かれた看板のほか、バス停があり、本数は極めて少ないものの、栃木側からの片品(鎌田)から奥日光湯元温泉までの路線バスが走っているようです。山の頂は雲でかくれんぼ、その反対に湯ノ湖や男体山を望むことができました。




駐車場からはひたすら下り坂。これから通る、奥日光の雄大な景色を望みながら。湯ノ湖を越えたあたりから緩やかな道となり、林の中を駆け抜けていきます。そのまま、日光方面に向かうのが無難ですが、回り道があればと地図を見ながら進んで行くと、戦場ヶ原の手前に右に折れる道を発見。


光徳エリアを抜けると林道奥鬼怒線(山王林道)の入り口が見えてきました。鬼怒川上流付近まで続いている林道で、夜間は通行禁止。路面状況はあまり良くなさそうです。途中、不安な看板が立っていましたが、あまり気にせず上って行くと、
はい、通行止め…。
迂回路、通行止め付近から北に延びる道は近くには無いようです。入り口付近に戻って確認すると、月末まで工事による通行止めとなっていました。看板に記されていた迂回路として案内されていたのは県道169号線または国道121号線。どちらも日光市街まで出る必要があるようです。



国道120号線との交差点に出て、左折し戦場ヶ原を横切って中禅寺湖付近まで。雨なのか雲の中なのか、水滴が着いてきました。鳥居をくぐっていろは坂へと進み、霧の中を日光市街向けて下って行きます。途中足尾方面からの国道122号線と合流し、清滝ICの先辺りから渋滞に…。





道路の構造上やむを得ないのですが、神橋のある国道120号線の起点、神橋交差点がボトルネックとなっており、そこを過ぎると、流れはスムーズに。街中を抜ける国道119号線、日光駅の近くの交差点を左折し、霧降大橋を渡って県道169号線。先程、奥日光より下ってきて、早々に再び山を上って行きます。
霧降高原
県道を道なりに進むと駐車場が見えてきたので、ちょっと寄り道することに。近くには霧降高原レストハウスがあり、高原散策の拠点となっているようです。



山の上には展望台もあるようですが、雲がかかっており全く見えません。そして、停めてから間もなく、駐車場から見えていた街の景色も雲に覆われ見えなくなってしまいました。どうやら、所々で雨が降り出している模様。天気の良い時に改めてリベンジを心の中で誓い、その場を後にしました。




降りそうで降らない雨。レインコートなしでも、まだ行けそうなので、そのまま進みます。大笹牧場付近まで下りてくると、景色は徐々に牧歌的に。天候的に立ち寄っている時間は無さそうなので、道端から馬や牛を眺めていると
ついに大きな雨粒がポツポツ…
この先は道路を覆うように茂る木々で、多少雨粒を防げそうなので、天候の安定を期待し、鬼怒川方面へと急ぎます。県道23号線との交差点、左折し奥鬼怒方面を目指した気分を押し殺し、右折。少し前まで付近で雨が勢いよく降っていたと思われる雲の残骸。水蒸気量が高く、水墨画のような鬼怒川沿いの景色。そして、雨の香り。マイナスイオン?に包まれながら、鬼怒川沿いを下ってきましたが、ついに耐えられなくなりました。




木々で雨粒が遮れそうな路肩に止めて、レインコートを装着。笑ってしまいそうなくらい本降りとなった雨の中、下流を目指して走ります。途中に点在するトンネルが救いで、雨風を一時的でも防凌ぐことができました。そして、県道は国道119号線に合流。そこから南下し、倉ケ崎交差点で左折し、国道352号線、461号線と短絡的に進み、再び119号線。日光街道を宇都宮方面へ。鬼怒川公園駅近辺で雨は小康状態だったものの、日没後の日光街道(近くに旧道の杉並木があるはずですが暗く、余裕もなく…)、宇都宮ICまでの区間は夜の雨。現実か幻想か、対向車のヘッドライトで、一面の星空が路面やヘルメットシールドに広がっていました。
羽生パーキングエリア(上り)
予想外の星間旅行を終え、宇都宮ICより東北自動車道ヘ。しばらく進むと、渋滞に巻き込まれ、雨に打たれ、最悪なコンディションで東京へ向けてノロノロ運転。山沿いから離れて多少雨脚は弱まったものの、レインコートは脱げない降り方…。そんな中、ようやく羽生PAまでたどり着くことができました。
雨の鬼平江戸処が時代劇のワンシーンみたい
そんなふうに思う余裕は残っていたようで、レインコートを脱ぐこともできないので、服装そのままで、多少の休憩。心も半分折れかけてますが、家に着くまでが遠足!?


引き続き雨の中を東京目指して走り、ようやく降雨地帯を脱した模様、川口PA(上り線のみにあるPA)で、雨粒をふるい落とし、少し暑苦しくも、レインコートを乾燥させるため、着たまま首都高を走行。そして、今回の旅は終了。どうも不完全燃焼で、近いうちにリベンジしてみようと思った、奥日光〜霧降高原の旅でした。
なお、掲載している情報は旅行当日(2024年9月)のもののため、ご覧いただいた時点では異なる場合がございます。ご旅行の参考とする場合(特に交通機関やイベント等)は事前に確認の上、検討をお願い致します。同地域への旅行を検討されている場合の参考になれば幸いです。
2日目(24年11月3日)東京〜白河…奥日光~霧降高原、そしてリベンジの旅(2)