24年5月。桜前線はとうに北海道に上陸し、数日おきに天気の変わる春らしい陽気。空模様が気になる季節の到来です。昨年同様天気次第で、北か西か、行くのか行かないのか。西の天気が安定しそうだったので、5月2日帰宅してからの宿探し、新たに見つけた行きたい場所、過去に行きたかったけれど行けなかった場所(時間的に)。大体2泊3日、あの日行きそびれた彼の地巡りへ。そんな映画タイトルみたいなドラマチックな景色を求め、主に兵庫、京都、滋賀の3日目です。
朝食は好きなものを選ぶバイキング形式。食事を済ませ、3日目は少しゆっくり目の9時過ぎに出発です。小さな雲が少し浮かぶ程度、最終日も天気に恵まれ、ドライブ日和。以前、小野に来た時に周辺を散策したことがあったので、今回は行きそびれた彼の地を優先して巡っていきます。
県道23号線を少し走り、青い経路案内標識には国道175号線と明石の地名。明石といえば、これまで何度か西日本周遊中に経由しようとしたもののタイムアップで飛ばしてきた日本標準時子午線が通る街。国道に入り、そのまま道なりで進んで行きます。
最初は田園風景、徐々にロードサイドには店舗などが増え始め、和坂交差点付近になると交通量が増してきました。交差点から先、国道2号線の明石駅周辺は片側二車線の道路となっていますが、その前後は片側一車線の西日本の大動脈としては心もとない道。その代わりに、第二神明道路(有料)が山側を通るなど東西の都市間移動のため、複数の道が通っているようです。
明石駅前を通過し、山陽電車では隣の駅、人丸駅の近く。人丸前交差点の手前の歩道上に、看板に覆われていますが、子午線通過標が設置されていました。そして、山陽電車、JRのガードをくぐってすぐ、その子午線上に建てられた明石市立天文科学館に到着です。
明石市立天文科学館
教科書などで見かけるおなじみの時計塔。現在のものは三代目だそうで、明石の街のシンボルにもなっています。科学館には駐車場が併設されており、自転車、バイクは科学館入口わきにとめられるようになっていました。今回は目的地として朝一番、開館時間内に訪れることができたので、館内を見学することに。
玄関近くには天文経度で135°Eの日本標準時子午線の説明看板や足元のタイル状に線が記されており、科学館が少し高台にあるので、子午線上にある人丸駅や、南側(海沿い)の景色、少し離れた明石海峡大橋を望むことができます。
名称 | 開館時間 | 休館日 | 所要時間 | 観覧料 |
明石市立天文科学館 | 9:30~17:00 ※入館は16:30まで | 月曜日、第2火曜日、他 | 60~120分程度 | 大人700円 ※高校生以下無料、他 |
受付で入場料を支払い、館内へ。そこで、マンホールカードなるものを目にしたので、近くにあるという科学館の描かれたマンホールカードと散策マップを頂きました。マンホール探しは科学館見学後にするとして、さっそく館内の見学を。明石市立天文科学館は主に天文とそこから生じた時に関する展示となっており、プラネタリウムも併設されています。また、タワー状の建物(時計塔)の上層階には展望室が設けられています。
展示を一巡した後、螺旋階段をのぼり(エレベーターも設置されています)展望階へ。13、14階が展望フロアとなっており、360°のパノラマとなっています。ここからは受付フロアから見えた、明石海峡大橋のほか、海峡を行き来する船や、山陽本線を走る列車を見ることができ、タイミングよく昨日巡ってきた、鳥取方面(智頭急行線)からのスーパーはくとがやって来ました。
天文より展望がメインになってしまいましたが、再び螺旋階段を下りて館外へ。続けて、科学館の周辺、受付で頂いた、マンホールカードのある場所を探してみることに。科学館の裏手の山?は神社の境内のようで、鳥居をくぐった先には遊歩道が続いています。先ほど頂いた、散策マップを手に明石方面へ。途中、昭和5年に建てられた子午線標識「トンボの標識」、トンボは日本の古名であるあきつしまの象徴とされているそうです。また、もう一つあった鳥居の近くには遺跡「亀の水」があり、名称の通り、手水が亀の口から湧き出ているさまが珍しくもあります。
そんな亀の水の近くにあったのが、マンホールカードのデザインとなったマンホール。マンホールの設置されている辺りが世界測地経度で135°Eの場所だそうです。そして、別の場所にあった消防栓の蓋も丸形と同じようにデザインされたものになっていました。
マンホールを探しながら、科学館の周りを反時計回り、元の場所に戻り出発です。県道366号線、県道21号線と走り、大蔵谷ICより第二神明(E93)へ。関西地区の高速道路網も複雑で、標識にある入口からは明石海峡大橋方面へは行けないようです。須磨料金所の手前付近で謎の左右ルートが出現し、料金所渋滞?
左右二手に分かれたトンネル内はノロノロで、料金所を抜けても解消されず…。どうやら自然渋滞では無かったようで、少し先、月見山トンネル内での追突事故で規制されていました…。そして、そこを抜けると何事もなかったかのようにスムーズに。第二神明は阪神高速3号神戸線に直結し、ここからは見通しの寄り海沿いの道。都市高速上より、神戸の街を観光しながら通り抜けていきます。
この前、神戸を訪れた時は覆いを被っていたポートタワーは日の光を浴びて赤く輝き、左手には六甲山系の山々が青く輝いていました。
阪神高速3号神戸線から左に逸れ、名神高速道路(E1)京都方面へ。第二神明に続き、再びの左右ルート選択を迫られるものの、今回は大山崎ICで降りるため、左ルート一択で京滋バイパス方面へハンドルを切りました。
京都競馬場
標識に誘導され大山崎出口へと入り、ダイハツの工場を正面にループを下って行きます。高速道路を降り、国道478号線、桂川を渡り府道13号線を伏見方面へ。場所は宇治川と桂川の中州となっている辺り。淀駅の近くを通り過ぎ、少しするとインターチェンジ?のようになったJRA京都競馬場の駐車場入口がありました。
橋で府道を横切り下るとまるでテーマパークや高速道路の料金所のような入口。普通車は2,000円かかりますが、バイクは無料で、窓口をそのまま通り過ぎバイク駐輪エリアへと進みます。左右には何台とめられるのだろうと思わんばかりの自動車用の駐車枠。駐輪スペースは入口からの突き当り付近にあり、すでに何台もとまっていました。
駐車場から競馬場入口までは歩道もありますが、無料送迎バスが正面玄関まで出ており、府道124号線と京阪本線を陸橋で渡り、出発から徐行で数分程度でJRA京都競馬場の正面入口に到着しました。
名称 | 開場日時 | 入場料 |
JRA京都競馬場 | 開催日 | 200円 |
連休中の京都、街中の寺院は駐車スペースもなく観光客であふれていそうなので、京都の南の観光名所で旅費の調達?これまで長距離をライディングしてきたので、走る側から走っているのを鑑賞する側で帰路の途中の休息です。
場内に上着を持ってきたものの、日陰の少ない競馬場では不要な感じ…。建物内にダイヤルロック式の無料ロッカーがあったので、ありがたく使用させていただきました。ロッカーには覚えやすくするためか、競馬場らしく競走馬名のパネルが掲げられています。
京都競馬場は今回初めての入場。最近リニューアルされたためか、とても広々として、明るい感じです。日差しの降り注ぐ広いパドック、高くそびえるスタンド。広すぎて歩き疲れてしまいそうです。開催日に現地に足を運んだものの成績は振るわず…。
臨場感は味わったので、そろそろ食事の時間。食事スペースもカジュアルな感じで、ランチタイムは気軽にいただけるバーガーキングでモニター観戦。外は汗ばむ陽気ですが、空調の効いた屋内は快適でした。
食事を済ませ、メインレースが終わると駐車場が混雑するので、早めに退散。駐車場に戻り、出発です。府道13号線、国道1号線、久我山JCTを経由し京滋バイパス(E88)へ。次の目的地までスムーズに、と思ったのもつかの間、宇治西ICを過ぎたあたりから、自然渋滞に巻き込まれノロノロ運転になってしまいました。
早く新名神の高槻~大津間がつながらないかなと思いながらも、草津JCTまでくると渋滞は解消され、新名神高速道路(E1A)へ。明るいうちに、今回最後の行きそびれた彼の地、たぬき?で有名なの焼き物の産地までには着けそうです。
信楽駅
信楽ICで高速を降り、国道307号線を右方向、信楽市街枚方方面へ。大戸川や信楽高原鐵道に沿うよう南進すると、焼き物の街らしく陶芸、陶器と書かれた看板を掲げるお店が増えてきました。
毎度、付近を通りながらも、これまで立ち寄れなかったのは、日没後が多かったため。リストアップしながらもタイムオーバーで通過していましたが、今回ようやく信楽の街を訪れることができました。ちなみに、特定の施設を目指していた訳ではなかったので、とりあえず信楽駅前まで。信楽駅口の交差点を左折し、駅の近くに設けられていた臨時?の駐車場にとめ、駅周辺を散策です。
信楽高原鐵道(旧国鉄信楽線)の終着駅で、盲腸線の末端。ターミナルらしい立派な駅舎で、駅名表示の前の植栽には信楽焼の代名詞的なたぬきの焼き物がちょこん。列車の来る気配はないものの、売店などが併設された駅舎内は賑わっています。駅舎右手のスペースには、陶器ではないようですが、
公衆電話に化けた巨大なたぬき?
ほぼ化けるのに失敗してますが…、そして、その手前にそのミニチュア?のたぬきの置物が置かれており、おそろいの衣装を纏っています。
また、巨大なたぬきの視線の先、駅舎正面左手奥(貴生川寄り)には車庫があり、たぬきの絵柄の入ったヘッドマークを付けたSKR310形が休んでいました。
そんな信楽駅前では、連休期間中に「しがらき駅前陶器市」が開催されており、駅前は大変混雑しています。信楽焼で作られた煙突のようなモニュメント「バイブレーション」に掲げられた看板。春があるなら秋もありそうな感じ。
陶器市には複数の工房が出店しており、それぞれ定番のたぬきの焼き物、他の動物をモチーフにしたもの、実用的な食器類といった、バラエティーに富んだ作品が数多く並んでいました。会場内を行ったり来たり、見ているだけでも楽しいです。たぬきの焼き物も捨てがたいですが、繊細な作品を購入すると移動中に破損しかねないので、お手頃価格の食器を購入し会場をあとにしました。
陶器市会場は17時まで。そして、街なかの多くの施設が営業を終了する時間のようで、賑わっていた駅前通りは人影はまばらに。駅前の観光マップによると窯元は国道を挟んだ反対側に集まっているようですが、しっかり巡ると小一時間は要しそう。お店もすでに閉まっていそうで、日も暮れてきたので、残り時間はほんの僅かな駅周辺の散策にとどめ、17時過ぎ駐車場に戻って出発です。
再び国道307号線を信楽ICまで。ここからは観光での立ち寄りなしで東京を目指します。
鈴鹿SA
信楽ICから新名神高速道路(E1A)で名古屋方面へ。亀山西JCTを道なりに進み、トンネルの先にあった鈴鹿パーキングエリアに立ち寄ります。鈴鹿といえばサーキット。エリア内もそれを意識した展示や演出があり、モータースポーツ感満載です。偶然入った個室トイレもラッピングされていて、用を足すときの音をごまかす音響ボタンはエンジン音でした。
鈴鹿PAからは引き続き新名神、四日市JCTで伊勢湾岸道、名古屋南JCT、豊田JCTと経由し新東名へ。そのころには真っ暗で、昼以降、飲み物のみだったので、小腹が空いてきました。途中のパーキングエリアで食事でも、と思って、混雑している浜松SAを通り過ぎ、遠州森町PAに立ち寄ったものの、
営業時間終了~
仕方なく、お手洗いだけ済ませタッチアンドゴー。
前日に続き、21時過ぎの食事難民。規模の大きなサービスエリアでしか、ちゃんとした食事はできそうにないので、少し先の静岡SAまで。少々食べすぎでしょうか、うどんとカレーの魅力的なセットメニューがあったので、注文してしまいました。
時間は23時。多少、御殿場より先で渋滞区間があるようなので、エリア内をブラブラ。静岡といえばプラモデルが有名で、こちらにも地場のネタが展示されています。微妙な時間なので、付近(静岡~沼津付近)で泊まるか、このまま帰るか悩むところ。夜行で帰れない距離ではなく、仮に宿泊しても寝るだけで翌朝には東京に向け出発しないと、連休最終日の渋滞に巻き込まれそう。ウトウトしながら、道路交通情報をチェックし、結論、東京まで、適度に休憩を挟みながら帰ることに。
静岡SAを23時半ごろに発って、東京までの約170km。深夜の新東名〜東名をトコトコと、途中足柄SAで少々休んで、東京ICまで。何とか、6日朝の太陽が顔をのぞかせる前に到着し、今回の「あの日行きそびれた彼の地巡りの旅」は無事終了です。次の旅路へ…
なお、掲載している情報は旅行当日(2024年5月)のもののため、ご覧いただいた時点では異なる場合がございます。ご旅行の参考とする場合(特に交通機関やイベント等)は事前に確認の上、検討をお願い致します。同地域への旅行を検討されている場合の参考になれば幸いです。
1日目(24年5月3日)東京〜奈良~和田山…あの日行きそびれた彼の地巡りの旅(1)
2日目(24年5月4日)和田山~大山~小野…あの日行きそびれた彼の地巡りの旅(2)