丹生川上神社 下社

あの日行きそびれた彼の地巡りの旅(1)

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24年5月。桜前線はとうに北海道に上陸し、数日おきに天気の変わる春らしい陽気。空模様が気になる季節の到来です。昨年同様天気次第で、北か西か、行くのか行かないのか。西の天気が安定しそうだったので、5月2日帰宅してからの宿探し、新たに見つけた行きたい場所、過去に行きたかったけれど行けなかった場所(時間的に)。大体2泊3日、あの日行きそびれた彼の地巡りへ。そんな映画タイトルみたいなドラマチックな景色を求め、主に奈良の1日目です。

5月3日0時過ぎ、東京ICより東名高速道路(E1)で西を目指します。深夜にかかわらず、交通量があり、前車のテールランプを終始追いながら、夜の高速道路をのんびりと進んで行きます。空いているときに比べ、眠気より気疲れのほうが溜まりそうな感じ。まずは丑三つ時に足柄SAでひと休み。御殿場JCTで新東名高速道路(E1A)へ進み、空が明るくなり始め小腹が空いたので、次に掛川PAで朝食。明るくなるにつれ、道路も休憩施設も混みあってきて、車列も延びてきている様子。

5時を過ぎ、天竜川を越える頃には目が覚めるような空が広がり始めます。東京から200km超、給油ランプが点灯していたたため燃料補給のため浜松SAへ入ろうと左車線へシフトしたもののSA渋滞。並ぶのも面倒、横を抜けるのも気が引ける、さらに名古屋方面は早朝から渋滞中…

余談ですが、今回の旅より車載カメラをDJIのOsmo Action 4に変更したので、4Kで撮影し、動画からの切り抜き画像の画質が格段にアップしました。

朝からトロトロも眠いので、そのままスルーして、一般道を放浪することに。朝霧浮かび少し幻想的な浜松いなさJCTで引佐連絡道(E69)へ入り浜松いなさICで高速道路を降ります。給油灯が点灯してからしばらくたっており、スタンドがありそうな街中を目指して国道257号線を下って行きます。

しかし、朝6時前。開いているガソリンスタンドが…

国道沿いにはあるだろうと思っていたものの、祝日定休やオープン時間前で、地図を頼りに付近をうろうろする羽目になりました。ようやく見つけたセルフ給油でガソリン満タンで不安を解消でき、舘山寺スマートICより東名高速道路(E1)に。

浜名湖SA

新東名に比べ、東名高速道路のほうが空いているようで、すんなり浜名湖SAに入ることができました。最近は新東名を使用することが多いため、久々の浜名湖SA。建物の先は芝生公園になっており、朝の体操代わりにサービスエリア内散策。公園は浜名湖を眺めることができる高台にあり、時間のわりに賑わっています。

今日の湖は穏やかな表情。公園の先には恋人の聖地(度々遭遇する?)まで歩いて折り返し、無数の南京錠がフェンスにかけてあり、朝日に照らされ輝いていました。

30分ほど滞在した浜名湖SAを後に、東京を出発してから6時間以上。豊田JCTで再び新東名高速道路、伊勢湾岸自動車道(E1A)と進み、中京圏を通過していきます。西日本方面を目指していると朝方に中京圏を横切るため渋滞は付き物。四日市JCTまで海沿いをゆっくり走り、ナビ通りに新名神高速道路(E1A)の比較的新しくできた区間へと入っていきます。
しばらくすると、少し変わった構造の亀山西JCTでほぼUターンを指示されたので半信半疑で亀山連絡路、来た道を戻るように少し並走してから右に逸れ亀山JCTへ。東名阪自動車道(E23)の伊勢方面へ進み、奈良への近道、名阪国道(E25)へ。遠回りしているようですが、どうやら所要時間的にはベストルートだったようです。

道の駅 いが

無料の自動車専用道である名阪国道。ゆっくりと走っていると、追い越し車線を大きなトラックがバンバン走っていきます。浜名湖SAを出てからもう少しで4時間。休憩場所を探していると道の駅があったので、誘われるように入りました。道の駅 いがは名阪国道直結のサービスエリアの様相。情報休憩室と売店&食堂で構成されるとてもシンプルな道の駅です。

そして、伊賀といえば忍者。情報休憩室にはだまし絵と少々色あせた忍者が天井におりました。忍者の雰囲気を僅かに感じた後は、売店で軽食と三重のお土産を少し調達し、ベンチでツバメを眺めながら缶コーヒーブレイク。

日陰はまだ涼しいものの、日に当たると汗ばむ感じ。そんな初夏の空を見上げ、真っ黒ボディーのツバメが何かを叫んでいるように見えました。

敢國神社

道の駅で地図を見ていると、少し行ったところに伊賀一之宮というインタチェンジがあったので、近く神社(かつ一宮)があるに違いない。ということで、一之宮参拝とガソリンも心許なくなってきたので、給油を兼ねて寄り道してみることに。

インターから、わずかな距離のところに伊賀一之宮の敢國(あえくに)神社がありました。創建は西暦658年と伝えられ、御祭神は大彦命、少彦名命、金山比咩命の三神。服部半蔵を輩出した、伊賀服部氏とのつながりも深く、黒党祭(くろんどまつり)と呼ばれる服部一族に限られるお祭りがあるなど、歴史のある神社です。天正伊賀の乱の後に一時荒廃したそうですが、以後藤堂藩藩主らにより復興され、現在に至るそうです。

参拝後、御朱印をいただく間、社務所でひと休み。木々に囲まれた境内は涼しく、心地よい風が吹いていました。少し涼んでから、敢國神社を出発し、最寄りのスタンドで燃料補給。名阪国道を少し進んだ上野東ICで国道422号線へ。奈良県南東部を目指します。

国道は付近を走る伊賀鉄道と似通ったルートで、線路がチラチラ現れます。そういえばと思い出し、過去に駅巡りをしたときに電車で訪れた丸山駅に寄り道。近くに地元フットボールクラブチームの練習場があるのか、以前訪れた際には無かった、くノ一グラウンド前という副駅名が付いていました。電車の姿は見えないので、先に出発進行、春と夏の間、木津川沿いには田園風景が広がっていました。

引き続き、国道422号線。伊勢志摩ライナーが目の前を横切りる近鉄のガードをくぐり、青山羽根交差点を左折、国道165号線を宇陀方面へ、今度は近鉄大阪線と並進するよう進んでいきます。

道の駅 宇陀路室生

少々混雑していた名張市内を抜け、途中、江戸川乱歩生誕の地という表示が気になったので、名張川沿いの新町の街中へ。旧初瀬街道、県道567号線。数十年前は商店街?だったような街路灯の並ぶ道を進んだものの、生誕の地らしい目印が見当たりません。たぶん、視界には入っていたと思いながらも街を脱出。後々、グーグルマップで確認すると、石碑がこじんまりと建っているだけのようで…。
名張川沿いにやなせ宿の駐車スペースやイオン名張もあるようなので、そちらを拠点に巡ったほうが良さそうです。

国道に戻り、次に訪れたのが道の駅 宇陀路室生

宇陀川沿い、近鉄大阪線の三本松駅近くにあり、高いところを電車が行き交う様子を見ることができます。近くには道の駅の名にもあり、女人高野として知られる室生寺、室生龍穴神社があり、龍の棲む水の神の聖地とされているそうです。

ちょうど昼食の時間帯で食堂、売店共に混雑していたので、道の駅では奈良のお土産だけ調達。小休憩の後、今回は周辺散策を省略し、当初より予定してた目的地へ急ぐことに。引き続き、国道165号線を橿原方面へ、ちょっとした山道を抜けていきます。そして、榛原駅前。芳野川沿いの県道31号線、国道166号線と進んで行くと、再び山道の様相。

佐倉峠を越えると、吉野郡東吉野村へ。ふと、走行中に左側、目に入ったニホンオオカミ最後の地の看板が気になります。そして、国道からそれて、県道16号線へ、鷲宮川と高見川の合流するあたりに村役場があり、どうやら村の中心のようです。そこからさらに、県道220号線を上って行くと目的地に到着です。

丹生川上神社三社巡り

丹生川上神社 中社

今日の主な目的、丹生川上神社三社巡り。丹生川上神社は三社からなり、日本最古の水神を祀るとされるお社です。今回、道順手前から参拝していくことにしました。最初は中社から。

神社の目の前を流れる高見川。川に沿うように山裾に広がる境内。1300年以上前に天武天皇のご神教によって創り祀られ、御祭神は水一切を司る神様である罔象女神(みづはのめのかみ)。日照りの際は降雨、長雨の際は止雨をと、水利に関わるものから、勝運や運気など勝負事ほかの御利益があるそうです。ただ、現在三社ある丹生川上神社は元は一社だったようで、長い歴史の中で、戦国時代の頃に所在地が不明となり、近代の調査等の末、三社それぞれが独立して丹生川上神社として成立しているそうです。

鳥居をくぐると目の前に拝殿があり舞台のような造り、その奥にある本殿、東殿、西殿が重要文化財に指定されている歴史ある建物。境内には大杉が複数あり、樹齢1000年超とされる叶えの大杉はフレームに収まりきらないくらいの大きさで、幹の太さは圧巻です。また、御神水をいただける井戸もありました。

社務所で一社目の御朱印をいただき、出発です。来た道を少し戻り、川沿いの県道16号線を川下に向かって進んでいると、村に入るときに目に入ったニホンオオカミと書かれた看板を発見。ちょっと寄り道です。近くに一級河川高見川の看板、川幅は神社の辺りより広くなり、流れは穏やか。車2台程度が駐車できる路肩のような駐車スペースがありました。

先客は無く、遠吠えする姿のニホンオオカミの像が佇んでいます。近くには説明看板があり、本州をはじめ生息していたニホンオオカミが1905年、この東吉野村で捕獲された若雄が記録の上で最後に捕獲された一頭ということで、自然愛護を願うシンボルとして設置されたようです。

オオカミ像に見送られ川沿いを下って行き、高見川は吉野川と合流する少し手前のT字の交差点を左折し、県道262号線へと進路を変えて吉野川の川上へ。

丹生川上神社 上社

東吉野村から川上村へ。国道169号線へと出て、大滝ダムを望みながら山道を上って行きます。国道169号線は23年9月の灯台巡りの際に通ったので既視感。大滝トンネルを抜けて左手におおたき龍神湖、右手には記念碑?川上村が大和ハウス創業者の生誕地だそうで、生誕100年を記念して建てられたそうです。大和は奈良の旧国名からだったのでしょうか。

少し進んで、村役場や道の駅 杉の湯川上など、建物が並ぶ村の中心部?を走っていると上社の案内看板が見えてきました。トンネル手前の交差点を左折、少々傾斜のある道を上って行くと高台に丹生川上神社上社がありました。

上社の御祭神は高龗大神(たかおかみのおおかみ)で水、雨を司る龍神。斜面に建てられた神社で、スペースが限られているため、駐車場が設置されています。日本遺産の看板を見て、階段を登っていきます。途中、鳥居をくぐって、頂上まで。拝殿が見えてきました。

境内は先ほど訪れた中社と比べ新しく見えます。それもそのはずで、伊勢湾台風による大滝ダム(ダム自体は2013年完成)の建設に伴い、村ごと高台に移転したためで、神社は1998年に現在の場所に遷座したそうです。

湖近くで高台に位置するため、眺めも良く、心地よい風が吹いています。社務所で二社目の御朱印をいただき、出発です。来た道を引き返して吉野川沿いを下って行きます。前回国道169号線を通った時右折した土田交差点を直進し、国道370号線へ。下市口駅近くの岡崎交差点を左折し、国道309号線で天川、黒滝方面、再び山道を進んで行きます。

丹生川上神社 下社

下市町。長谷川沿い、丹生トンネル手前、トンネルができる前の旧道と思われる県道138号線へ。街の中を抜けて少しすると丹生川上神社下社がありました。

神社手前を流れるのは丹生川。ここに来て、丹生の名称の付く川が初めて登場。川沿いにはのぼり旗がかなりの数並んでいて圧巻です。鳥居をくぐって境内へ。時間は16時過ぎ、三社巡り中は寄り道をしなかったので、何とか時間内に三社目にたどり着くことができました。

これまでの二社とはまた違った造りの拝殿と奥に延びる階は圧巻。その先、山の上に本殿があります。御祭神は闇龗神(くらおかみのかみ)でこちらも水、雨を司る龍神。境内には蛙石や牛石、神馬舎などがあります。参拝を済ませ、社務所で御朱印を頂いて三社巡り完了です。そして、お待ちかね。なぜかFacebookのフィードに度々登場するので、気になって…

実際に会いに来てしまいました!

神馬のシロちゃんクロちゃん。上社にも狛犬でなく狛馬や絵馬があったり、馬の気配が感じられましたが、下社には実際に神馬が境内を闊歩しています。なぜ、白馬、黒馬かというと、水の神様と関係が深く、雨乞いは黒馬、晴れを乞うには白馬を献上したことからだそうです。そして、それが転じて絵馬となり、絵馬発祥のお社とされているそうです。

自身もきっかけではありましたが、神馬がお目当ての参拝者も多いようで、柵の周りには数人先客がありました。Facebookの動画にあるような、柵越えは見られませんでしたが、トコトコ歩く姿に癒されました。

長いラストスパート(御所南PA、西宮名塩SA)

明るいうちに少しでも移動したいので、惜しみつつ丹生川上神社下社を出発。吉野川、紀ノ川と下って和歌山を経由しから兵庫まで、と思っていたもの全然時間が足りません。そして、直行でも良い時間…。国道309号線、370号線、168号線と進み、五條北ICより京奈和自動車道(E24)で北上します。途中、御所の郷(御所南PA)でランチ兼夕食の休憩です。

この先、本日のお宿まで180km程度で都市部を横切るので、近いようで遠いです。そんな長いラストスパートに向けて、腹ごしらえ&水分補給を済ませ出発。橿原高台JCT(建設中で交差点になってます)で大和高田バイパス・南阪奈道路(E91)へ大阪方面。正面には岩橋山がそびえ、山の尾根へと沈んでいく夕日がとても綺麗です。そんな夕日につられたのか、メーター上にオレンジ色の給油ランプが点灯…。想定内でしたが近々に給油しないとダメなようです。

竹内峠をトンネルで越え大阪府(南河内郡太子町)へ。一旦、一般道へ降りてガソリンスタンド探しでもと思っていると、少し前で路肩に停まっていた覆面パトカーがサイレンを鳴らし追い越していきます。どうやら、先で事故が発生したようで、状況はわからないものの、自動車専用道での燃料切れは避けたいので、美原ICで退出することにしました。

阪和自動車道沿いの府道36号線、2号線。大阪府内の一般道を自分の運転で走るのは初めてかもしれません。恐る恐る走っていたものの、噂のようなワイルドな感じではなく、

至って普通で、難なく給油も完了

この先は事故の影響は無いようなので、阪和自動車道、天理吹田線(E26)と大阪市内中心部を迂回するように走っていきます。そして、辺りは真っ暗。中国縦貫自動車道(E2A)となる吹田JCT付近は万博記念公園の辺りで、左手にオオサカホイール(観覧車)が見えてきました。

宝塚IC付近を過ぎると、平らで走りやすかった道もくねくねとした上りに。街の明かりも減っていき、前後に車がいないと暗くて寂しい感じになってきました。前日より夜通し走ってきた疲れも出てきたので、ラストの半分ほど走ったところにある、西宮名塩SAで最後の休憩を。

多分リフレッシュできたでしょう。出発後、神戸JCTを直進し、引き続き、ナビゲーションに従って中国縦貫自動車道(E2A)を走行していましたが、吉川JCTで、舞鶴若狭自動車道(E27)方面に行くところ、誤って直進してしまいました…。幸いなことに、この先の播但連絡道路(E95)でも、大差がないようだったので、福崎JCTを経由し和田山ICまで、路面状況も区間次第で、夜間は交通量が少ないようで、照明がないところでは少々スリリングでしたが、無事、和田山ICにたどり着きました。

遅くなってしまいましたが、本日のお宿に到着です。ほとんど走りっぱなしで700km超。日付が変わる前に眠りにつきたい…。1日目で距離を稼いだので、2日目はタイトルの行きそびれた彼の地巡りへ。岡山、鳥取方面を目指します。

なお、掲載している情報は旅行当日(2024年5月)のもののため、ご覧いただいた時点では異なる場合がございます。ご旅行の参考とする場合(特に交通機関やイベント等)は事前に確認の上、検討をお願い致します。同地域への旅行を検討されている場合の参考になれば幸いです。

2日目(24年5月4日)和田山~大山~小野…あの日行きそびれた彼の地巡りの旅(2)
3日目(24年5月5日)小野~明石~京都~信楽…あの日行きそびれた彼の地巡りの旅(3)

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